2019年08月03日

FMICS 8月例会(第716回例会) 大局観を磨くものの書き方とそのための文献、図書館の活用法

■高等教育問題研究会 FMICS 2019年8月例会(第716回)をご案内いたします。
 8月の問題提起は、図書館笑顔プロジェクト代表・元鶴見大学図書館・ 慶應義塾大学非常勤講師/立教大学兼任講師の長谷川豊祐さんです。
 FMICSの皆さまには勿論のこと、夏休み中の学生・生徒さんにも参加して欲しいものです。親子でのご参加も大歓迎いたします。

■文章力を磨くことは、コミュニケーション能力を鍛えることになります。有能な人財は、武器としての文章力を持っています。
 「読み手を意識して文章を書く」こと、「聴き手を意識して話をする」ことは、コミュニケーションの基本の基本です。このことを頭の中の知識としてではなく、手を使って文章を書くトレーニングをすることによって身に付けていくことが大切です。会話では、ゆっくりと考える時間はありませんが、文章を書くことは、さまざまなシミュレーションをしながら考えることができます。
 コミュニケーション力を磨くためには、3分間の自己紹介を文章にしてください。
 1分間はゆっくりしゃべって300字なので、900字、400字詰原稿用紙2枚程度の文章を、「、」「。」「段落」を意識して書いてください。
 「、」は1、「。」は2、「段落」は3という「間」をとって、話しをすると、それだけであなたは話し上手、コミュニケーション上手になります。 多くの方がコミュニケーション力不足の自分を何とかしたいと思われています。
 モノを書くことを地道に積み上げていくと、コミュニケーション力も確実にアップするのです。

■長谷川さんからのメッセージと指定図書のご紹介です。
 夏期休暇は,心身共にリフレッシュし,パワーアップする絶好の機会です。エアコンをきかせた部屋で,日常の煩雑さから一時的に離脱し,自分自身の課題に短期集中で取り組みましょう。まずは,引き出しにしまっていた疑問や,知りたかった事項を引っ張り出して,パソコンに向かい,雑誌論文を探索・熟読し,テーマを拡散・収束してみましょう。インターネットさえあれば,簡単に参考資料を入手して,課題解決への一歩を踏み出せます。情報化社会において,先行調査・研究の探索や,論文・レポート・企画書の執筆などに,インターネットと図書館を活用しない選択はあり得ません! 探索とライティングの基本テクニックさえマスターすれば,課題の9割は達成です!! 今年の夏は,日頃から,学生に勉強・学修と言い続けている大学人としての矜持をもって,有意義に過ごしましょう!!!
 学修・研究を支援する立場から,調査・研究する立場へと,ひと夏の転換も良いものです。資料やデータを探し出して入手して,論文やレポートを読み,書いた人や著者の主張を,的確に理解・要約・評価してみましょう。良い論文やレポートを読むことで,初めて良い論文やレポートが書けます。考えなしに,おもむろに書き始めても,完成度は期待できません。探し出した資料やデータも積み上げておくだけでなく,自分の主張に沿って適切に加工して,論理展開してこそ説得材料として使えます。スキルを身につけ,実践で磨くための厳選した3冊を紹介します。良い本を読むことは,遠回りにみえて,実は一番の近道と確信しています。
 体系的に解説されたアカデミックスキルは,報告書や企画を書く際に,大いに役立つ技術です。アカデミックとか学術・研究という表面上の表記に欺かれてはなりません。「読者」を「説得・納得」させるアカデミックスキルは,実生活や実社会に適用できるのです。

『情報生産者になる』(上野千鶴子 2018 ちくま新書135)は,書名の「情報生産者」から,Webでの発信などの広い範囲を想定するのではなく,論文を書く技術として分かりやすい一冊です。“もはや勉強(しいてつとめる)ではなく,学問(まなんで問う)ことが必要”は,社会人にも中学・高等学校生にもあてはまることです。あふれる情報に溺れることなく,書くことで発信して,情報の海を自力で泳ぎ,みんなで広い社会を航海してみましょう。

『大学生のための知的技法入門』(佐藤望ほか 慶應義塾大学出版会2012)も,タイトルの「大学生のため」から,社会人や高校生には関係ないと排除するのは大間違いです。ノートの取り方,図書館とデータベースの使い方,本の読み方がコンパクトにまとめられています。
 図書館は,本と出会うことから,自分自身,家族・友人,地域・社会の未来に向かうための多様な場・機会を提供しています。

『生きるための図書館:一人ひとりのために』(竹内セ 岩波書店 2019 岩波新書:新赤版1783)は,人と本とをつなぎ,人と人をつなぐ図書館の仕事を,穏やかな語り口で紹介しています。とても読みやすい本です。一人でも多くの方に図書館を正確に理解してもらいたいものです。

 更に読み進めたい方のためには
『近世大名家臣団の社会構造』(磯田道史 東京大学出版会 2003 文春文藝ライブラリ:歴2)です。テレビでお馴染みの磯田さんの博士論文をもとにした文庫サイズの本で,良い論文の例として一読をおすすめします。表現は分かりやすいですが難解なので,まだ読みきれていませんが,僕にとっての夏の課題図書の一冊です。


【日時】 2019年8月3日(土)
   受付 午後3時30分
  月例会 午後4時〜7時
情報交換会 午後7時15分〜8時45分


【会場】 桜美林大学 四谷(千駄ヶ谷)キャンパス SY306教室
  (JR 千駄ヶ谷駅 徒歩6分 / 地下鉄 北参道駅 徒歩5分)

【テーマ】 この夏 探して 書いて 話せる 伝える達人に
  大局観を磨くものの書き方とそのための文献、図書館の活用法


【問題提起】
  長谷川 豊祐 (図書館笑顔プロジェクト代表・元鶴見大学図書館・慶應義塾大学非常勤講師/立教大学兼任講師)

【参加費】 会員1,000円 非会員2,000円 学生(会員・非会員問わず)500円

【申込先】 米田 敬子 yoneda(アットマーク)fmics.org
 *お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
 *当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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posted by fmics at 16:00 | TrackBack(0) | 月例会