2020年01月31日

終わらない改革の時代と大学職員

 2月6日(木)に横浜市立大学で開催される公開SD研修会にて、上記のテーマで講演します。副題は、―大学行政管理学会初代会長・横浜市立大学初代理事長予定者・孫福弘のプロフェッショナル職員論を手がかりに― です。

 随分以前になりますが、2011年12月と2012年5月の2回の月例会で、日本企業の「正社員」を巡る独特の雇用労働システムを包括的に説明するものとして濱口桂一郎氏が提唱した、「メンバーシップ型」というモデルを紹介、大学(事務)職員についても「メンバーシップ型」と考えることができるのではないかという話をさせていただきました。今回の公開SDは、いわばその続編にあたるものです。

 今回のポイントは3点です。

 第1に、日本の大学職員の最大公約数的な本質は「メンバーシップ型」人材、言いかえると「日本型サラリーマン」であるという点に求められるのではないかということ。

 第2に、慶應義塾大学の職員から教授となり、大学行政管理学会の初代会長でもあった孫福弘氏は、「日本の大学職員はプロフェッショナルにならなければならない」と主張しましたが、「プロフェッショナル」の条件とは何でしょうか? そして、氏の急死から約15年がたった現在、大学職員は「プロフェッショナル」になったのでしょうか? 私にはそうは思えません。

 第3に、では日本の大学職員が「プロフェッショナルならざる日本型サラリーマン」であったとして、それが「企業」ではなく「大学」の中に存在すること、それも「事務局」という強い独立性を持った「組織内組織」に一元化されていること(これも世界的には特異なあり方です)はどういう意味を持つでしょうか?そして、日本の大学の「現在」と「将来」にどう関係してくるのでしょうか?

 役に立つかどうかはまったく保証できないのですが(特に短期的な意味では)、他では聞けない話にすることはお約束します。
(菊池 芳明)

公開SD研修会 ポスター 
【日時】 2020年2月6日(木)15:00〜16:30

【会場】 横浜市立大学 金沢八景キャンパス
 YCUスクエア4階 Y401教室

【参加費】 無料

【申込先】 横浜市立大学 人事部人事課
 sd_plan@yokohama-cu.ac.jp
 *2月5日(水)までにお申し込みください。

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ミシュランとななつ星

 ミシュランガイドはフランスのタイヤメーカーのミシュランが1900年8月に発行。当時フランス全土で走っていた車は2500台程度、故障やパンクを恐れて遠くには行かず、富裕層が購入して周囲に見せびらかす程度。「安全で快適な乗り物である自動車で遠くに行ってほしい。そうでなければタイヤはすり減らないので売れない」と考えたミシュラン兄弟は、車の修理の方法、ガソリンスタンドの場所、宿泊するためのホテルの情報を載せた。

 最初に星が登場したのは1923年。「快適さと適正な値段のレストランに黒い星をつける」が「おいしさを表す」ものとなったのは1926年である。ミシュランガイドでは飲食店を「素材の質」「料理技術の高さ」「独創性」「価値に見合った価格」「常に安定した料理全体の一貫性」の5つのポイントで評価。さらにその総合評価を「そのために旅行する価値のある卓越した料理」として三つ星、「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理」として二つ星、「近くに訪れたら行く価値のある優れた料理」として一つ星を付けている。

 日本は2007年11月にアジア初の東京版発行、今年は春に新潟2020特別版、秋には京都・大阪+岡山2021を発行予定である。日本経済新聞2020年1月6日「ミシュランとななつ星」(JR九州会長・唐池氏)の記事を紹介したい。JR九州の豪華列車「ななつ星」は2014年10月に運行を開始・3泊4日の鉄道の旅の魅力の一つが食事、最初の食事は1日目のランチに出てくる寿司である。全国の食通が訪れる福岡の寿司の名店「やま中」の大将が実際に列車に乗り込み、乗客の目の前で握ったそのままを一貫ずつ提供する。

 ミシュランガイド福岡・佐賀2014発行のために各店舗に覆面調査員を送り込んだのが2013年秋以降、当然「やま中」にやってきた。大将の腕前と心意気のよさを知っている常連客は、当然二つ星か三つ星を獲得するものと思い込んでいた。蓋を開けると一つの星も付かなかった。事情通によるとミシュランの調査にはある種の好みがあるという。どうも「やま中」はその好みに合わなかったようである。本が発売され、「やま中」に星がないのを知ったなじみの客が大将に慰めの声をかけると大将は胸を張った。「うちは二つ星も三つ星も要らない。すでにななつ星だから」今秋、ななつ星は満七歳(ななつ)を迎える。

 ミシュランガイド2020フランス版が27日発表、日本人シェフが初めて最高位の三つ星を獲得した。パリのレストラン「KEI(ケイ)」でオーナーシェフを務める小林圭氏は「店に来たすべてのお客さんに『人生で一番の料理だった』と言ってもらいたい」。仏紙ルモンドは2018年にガイド総責任者に就いたグウェンダル・プレネック氏の影響を挙げ「歴史的な店の格下げをしようとせず客観性より情緒的判断を優先してきた」旧弊を改めたと指摘した。

(宮本 輝)

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会報 『BIG EGG』 2020年2月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

【日時】 2020年1月31日(金) 午後6時〜9時+食事会

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2020年01月23日

FMICS BOOK PARTY 13-334 松岡 亮二 『教育格差 − 階層・地域・学歴』 ちくま新書

 これまで続けてきました「FMICS SD」を発展的にパワーアップするために「FMICS BOOK PARTY」と改組いたしました。ここは、仲間と一冊の本を読むことによって、「本」との出会い、「人」との出会い、「自分」との出会いを楽しむ「安全な場」です。ポストイットを使い、グループワークにより指定図書をより深く読み込みます。

【日時】 2020年1月23日(木) 午後6時30分受付 7〜9時

【会場】 四谷・蔵や
   (JR・東京メトロ 四ツ谷駅 徒歩1分)
   *会場の予約名は「フミックスの高橋」です。


【指定図書】
指定図書

【進行担当】 高橋 真義 (桜美林大学 名誉教授)

【参加費】 500円

【申込先】 米田 敬子 yoneda(アットマーク)fmics.org
 *お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
 *当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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2020年01月16日

FMICS 1月例会(第721回例会) 民間英語4技能テストのあり方とこれからの大学入学者選抜のあるべき姿

■高等教育問題研究会 FMICS 2020年1月例会(第721回)をご案内いたします。

■大混乱の大学入試改革。何のために、誰のための改革なのでしょうか。受験生の持つ可能性を引き出したいという目的が、いつの間にか、手段をカタチにするための議論になってしまいました。 はたして、この議論の中に、受験生はいるのでしょうか。絶対に居ませんね。
 若い受験生には、決して簡単なことではありませんが、大人のこんな右往左往に振り回されることなく、しっかりと自分の目指す方向を決めて誠実に学び続けてください。
 これからの大学入試改革がどのようなカタチになろうとも、真摯に学び続けていけば、ピンチはチャンス変わります。チャンスは、自ら掴むものです。来たるべき時代は、荒波を乗り切れるだけの人間力を必要とします。
 受験生には、少し過大ともいえる期待を求めてしまいました。私たち大学人の責任は、受験生の比ではありません。故石川洋美先生は、「教育とは神様の創られたものに手を加えること。大学人はその畏れをもって学生に接すること」とエールをくださいました。私たちは、時代から問われる責任の大きさを肝に銘じなければなりません。
 後藤さんの問題提起の後、皆さまと一ご緒に、ワイワイガヤガヤと今月のテーマをTHINKBIGに深化させることといたします。お一人でも多くの皆さまには、積極的にディスカッションの輪に加わっていただきますようお願いいたします。お仲間、学生さんに、声を掛けられてご参加ください。

■後藤さんからのメッセージと指定図書です。
 今回の大学入試改革で大きく問われるべきは大学の主体性です。民間英語4技能テストはなぜ頓挫したのかを考えながらこれからの大学入学者選抜のあり方を考えてみたいと存じます。
 私からはこれからあるべき大学入学者選抜を提示することを考えております。基本原則として、これからの社会状況を大局的に捉えることです。
これから社会がどう変わっていくのか。そこが大きな鍵となるでしょう。
 今回は次の2冊を課題図書として提示いたします。どちらもこれからの社会を考える上でとても示唆に富んだものです。年末年始は慌ただしく過ぎていくかもしれませんが、この2冊を手に取っ
ていただき、若者の未来に寄り添って、これからの教育や大学入学者選抜を考えていただきたいと存じます。

【日時】 2020年1月16日(木)
   受付 午後6時30分
  月例会 午後7時〜9時
情報交換会 午後9時10分〜10時10分


【会場】 日能研 恵比寿ビル 7階 セミナールーム
*1階に、子どものためのセレクトショップ「ちえの木の実」が入っているビルです。
恵比寿日能研ビル案内図

【テーマ】 2020年のミッション・パッション・アクション 激変する時代を読み解く
   民間英語4技能テストのあり方とこれからの大学入学者選抜のあるべき姿


【問題提起】
  後藤 健夫 (教育ジャーナリスト)
  司会 高橋 真義 (桜美林大学 名誉教授)

【参加費】 会員1,000円 非会員2,000円 学生(会員・非会員問わず)500円

【申込先】 米田 敬子 yoneda(アットマーク)fmics.org
 *お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
 *当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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2020年01月09日

VUCAは今に始まった話ではない

 その因果関係は不明だが、僅かなきっかけでシステムが大きく揺らぐ浮動性(Volatility)、ある行為がどういう結果をもたらすのかが見当もつかない不確実性(Uncertainty)、システムが細かくなり過ぎる事から生じる複雑性(Complexity)、そして事象の境界がぼやける曖昧性(Ambiguity)がある状況では、先を見通すのが極めて困難になると言われている。俗にいうVUCAである。近年ビジネスシーンを中心に持ち出される言葉で、FMICSの研究会でもしばしば聞かれる。最近の言葉だから急に出てきたと思われがちだが、少なくとも経済学的観点からはVUCA状況自体はもっと昔から生じていた。

 1960年代における経済学の重要なトピックの1つはインフレ予想についての考え方だった(前号参照)。その1つの理由が為替制度の安定にあった。当時の為替制度はドルを対外経済取引の基軸通貨として、それと金の価値を固定的に結び付ける「金本位制」(大量の金をアメリカが持っていることが前提)と、そのドルを他の通貨との交換比率を固定する「固定相場制」を基本としていた。

 だが、60年代から制度の揺らぎが出てきていた。ヨーロッパ諸国や日本において戦後復興で急速に経済力をつけていく中、ドルを放出して金を保有しようとする動きが見られるようになった。これはアメリカから金が流出することを意味し、金本位制の根幹が崩壊しかねない状況となった。これに歯止めが効かず、ついに1971年8月、アメリカ大統領R.M.ニクソンはドルと金の交換(兌換)を一時停止すると発表した。いわゆる「ニクソン・ショック」である。その後、金本位制維持のために様々な協議がなされたが、1973年には先進国が変動相場制に移行する形で金本位制は有名無実化(1978年に先進国を対象に完全廃止)した。

 この動きは2つのことを意味する。1つ目は各国においてインフレの制御を国内事情に集中できるようになったこと。先述の通り、国内事情でインフレ率の上昇が気になっていたとしても、たとえば周辺国がそれ以上のインフレが加速しているのであれば、それに合わせて国内のインフレを放任する政策決定をせざるを得なかった。それが変動相場制によって周辺国の動きと国内のインフレが切り離されたため、国内事情に注視すればいいことになった。2つ目は国際協調を通じて為替レートを安定させていたものを放棄したこと。だが、このことによって為替市場の思惑次第でレートが大きく変動する余地が生まれ、それが国内の経済状況を一変させる可能性が出てくる。

 その意味で、今のVUCA状況は1970年代初頭から始まったと言えるかもしれない。

(中村 勝之)

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逆境にあっても前向きに生きる

 新年明けましておめでとうございます。昨年末の締めくくりは「このごろ通信」(2019年12月23日(月)毎日新聞夕刊)の人生の先達の伝言。北九州を拠点に活動する「生笑(いきわら)一座」、ホームレスのおっちゃんらが全国の学校に出前授業をして回っている。授業は、空き缶拾い歴十数年の達人にアルミ缶とスチール缶を一瞬で見分ける凄技を教えてもらい、最後は子どもたちとおっちゃんどちらが時間内に多くの空き缶を当てることができるか真剣勝負。凄腕といいながらもあっさりと子どもに負けてしまうおっちゃん。1日200キロの空き缶を拾えば3000円になるとのこと。

 おっちゃんたちは、子どもが知らない話も教えてくれる。「中国でオリンピックが開催されるとアルミの価格が高騰し、おっちゃんの稼ぎは上がるけど、逆にリーマン・ショックが発生すると、その価格は暴落し、いくつ空き缶を拾っても生活できなくなる。海の向こうの出来事が、おっちゃんたちの生活に影響しているんだよ」。

 なぜ彼らは授業をするのか。日本では子どもの死因のトップが「自死」、いじめや人間関係が要因だと言われている。生笑一座のメンバーは全員、一度は「死にたい」と自死を選ぼうとした経験がある。メンバーの一人は子どもたちに訴える。「路上で生活している間、ずっと自業自得だと思っていました。頑張れないのは自分のせいだと、自分で自分を責めてばかりいました。けれども、今はあの時、死なないでよかったと本当に思っています。生きていさえすれば、いつか笑える日が絶対にくる。それが人生なんです」。

 今や小学生の子どもでさえ自己責任という言葉を使う時代。おっちゃんは子どもたちに、つらいことがあったら誰でもいいから助けてと声をあげてと教える。彼ら自身が、誰かに助けてと言えた日が助かった日だったという経験をしているから。元ホームレス一座の命の授業は、人間は一人では生きてはいけないことを知っている人生の先達から次世代への伝言である。

 そして新年の幕開けは株式会社そごう・西武の正月広告「さ、ひっくり返そう。」。炎鵬関を起用した11行のメッセージ、そのまま読むとネガティブな文章、下から1行ずつ読むと正反対の意味になる。「大逆転は、起こりうる。わたしは、その言葉を信じない。どうせ奇跡なんて起こらない。それでも人々は無責任に言うだろう。小さな者でも大きな相手に立ち向かえ。誰とも違う発想や工夫を駆使して闘え。今こそ自分を貫くときだ。しかし、そんな考え方は馬鹿げている。勝ち目のない勝負はあきらめるのが賢明だ。わたしはただ、為す術もなく押し込まれる。土俵際、もはや絶体絶命。」2020年度大学入試センター試験まであと少し、逆転劇が始まる!

(宮本 輝)

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【一部変更】会報 『BIG EGG』 2020年1月号 発送作業

<2020/1/8 1:15 更新>

★1月9日(木)の「FMICS BIG EGG」の発送作業は、都合により別途行います。

 午後7時30分から、打ち上げ会場の恵比寿「天童」で、ワイワイガヤガヤ新年会といたします。絶品の餃子とピータン豆腐、ニラレバ、酢豚、空心菜炒め、カニレタスチャーハンなどに舌鼓を打っていただきます。デザートはFMICS限定メニューの杏仁豆腐です。

 慌ただしいご案内ですが、皆さまには是非ご参加くださいますようお願いいたします。ご参加いただける場合は、お手数ですが、高橋真義 mail2020@fmics.org まで、ご一報ください。

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2020年01月01日

FMICSについて・入会案内

 FMICS(フミックス)とは、"Fusion for the Management of Independent Colleges and Schools"の頭文字をとった名称です。「高等教育問題研究会」や「まずはじめよう会」とも言います。

 会員数は約300名、主として私立大学の事務系職員が多いものの、理事・教員・学生等の国公私立にまたがる大学関係者、各種団体・民間企業・官公庁などからも、様々な方々が参加しています。

 これから大学職員をめざす方のご参加も、歓迎いたします。

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FMICS会員のWebサイト&ブログ

 リンクをご希望の方は、 mail2020@fmics.org (サイト管理者: 出光 直樹)までお知らせ下さい。

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