2021年10月21日

FMICS 10月例会(第743回例会) 地方の大学の試みから学ぶ PART2 〜 個性を活かせ!総花主義・平均主義・単独主義からの脱却 〜

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 10月例会は、9月例会で確認をしました「小強大学」を元気元気元気にするための戦い方についてをさらに深化します。

 9月例会で問題提起をされた小林さまは、小さくても強い大学「小強大学」と呼ばれています。 「昨年から続くコロナウイルス感染拡大によって、急速にデジタル化が進み、これまでの延長線上とは異なる形での、価値の生み出し方も可能になっています。社会環境が大きく変化する中で、どのような付加価値をつけて学生を社会に送り出す大学なのか、まずこれから議論してみるのも良いと思います」と、9月例会を総括されました。

 小が大をマネをしても戦いには勝てません。大が勝ちます。小は一点突破、持てるパワーを集中して、大に挑まなければなりません。弱者の勝ち方のノウハウとしての『ランチェスター戦略』は、大学関係者はマスターしていただきたいものです。
 
 時代の変化は、想定を遙かに超えています。私学振興・共済事業団は、2021年春、入学者が定員割れした四年制私立大学は46.4%に当たる277校になったと発表しました。入学定員充足率が上昇したのは、入学定員が「3,000人以上」 のみ、特に「600人未満」以下は厳しい数字となっています。定員割れ即倒産とはなりませんが、来年は、今年度の比ではなく悲惨となるのではないかと危惧されます。
 昔、炭鉱の閉鎖では、1、2件の場合は、手厚く対応いていましたが、ボロボロと出始めたところでなるに任せました。大学が同じようにならないことを願うばかりです。
 昭和45年から令和2年までの補助金累積交付額は、13兆170億円と膨大な額です。にも関わらず、何も変わっていない。大学が多すぎる。世論の声に従って、補助金を2割カットすれば、600億となります。あり得ないこととは言え財政当局にはおいしい話しです。

 ご参加の皆さまには、日頃から感じていること、思うことを言葉にしていただきます。学生・生徒の皆さんの目から鱗の発言を束ねれば、思いもよらないヒントに出会うことが期待できます。
 皆さまには、お仲間、学生・生徒さんにお声かけいただきご参加ください。

【参考】


【日時】 2021年10月21日(木)
   研究会 午後8時〜10時30分(Breakoutsession 含む)
   茶話会 午後10時35分〜
【使用媒体】 Zoomミーティング

【テーマ】  地方の大学の試みから学ぶ PART2
 〜 個性を活かせ!総花主義・平均主義・単独主義からの脱却 〜


【問題提起】
 高橋 真義 (桜美林大学名誉教授)
【実践報告】
 若杉 圭 (秋田大学教育文化学部技術部)
 木本 健太 (安田学園白鳥キャンパス統括部入試広報課)
 新藤 洋一 (福島大学アドミッションセンター 副センター長・特任准教授)
【コメンテーター】
 小林 浩 (リクルート進学総研所長・リクルート「カレッジマネジメント」編集長)

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2021年10月20日

FMICS BOOK PARTY 23-342 宮口 幸治 『ケーキの切れない非行少年たち』

「FMICS BOOK PARTY」は、本を読んで=INPUT、人に伝えて=OUTPUT、理解を深めあう「安全な場」です。ワイワイガヤガヤ、仲間とともに本を読むことの楽しさを共有します。

【日時】 2021年10月20日(水) 午後8時〜10時
【使用媒体】 Zoomミーティング

【指定図書】 宮口 幸治 『ケーキの切れない非行少年たち』 新潮新書


 【推薦者】 長井 美沙希 (取手聖徳女子高等学校 2年生)
【参加要件】 指定図書を読破された方
 【参加費】 無料
【参加定員】 15名
【申込締切】 2021年10月19日(火)
【事前課題】 *MUSTとします。
  1. 自己紹介 400字以内

  2. 『ケーキの切れない非行少年たち』の帯のポップコピーを考えてください。

  3. 読んだ直後の正直な感想を一文で表すと?

  4. アウトプットする=読み聞かせをしたいと思う3箇所を選んでください。

  5. お勧めの一冊を、例えば、「絶対に、元気元気元気に成る一冊」のような冠を付けて紹介してください。

  6. −1. 皆さまには、生まれる「疑問」をMEMOしながら、本書を一読してください。

    −2. 私が本を読んでいて思った「疑問」(14本)を読んでください。最近の高校生は、こんなことに「疑問」を持つのだなと感じてください。

    【私が本を読んでいて思った疑問】
    1. 褒める教育に意味はないのだろうか。

    2. 障害を持った方々に限らず、思い込みと事実はどのように判断、分類されるのか(思い込みってなかなか気づけないけど…)。

    3. 著者の思考のように非行少年がいじめだと思い込んでストレスをためているのだとしたら、周りがイジメを察知するのは困難ではないだろうか。

    4. 対人スキルのように客観的に自分ではかることのできないものをどうやって問題があると判断するのだろうか。

    5. 少子化が進み、子供の数が減少している中で、未来を託された子供たちのために、私たちには何ができるのだろうか。

    6. p56- 13〜p57−7に書かれているように、わからないけれども叱られることを恐れて(他にも羞恥心などから)わかったふりをする子供は非行少年に限らずたくさんいる。良くも悪くも、そんな子供たちに私たちはどのようなアプローチができ、改善することがきるのだろうか。そもそも治す必要はあるのか。

    7. 知的障害の種類がどんどん増え続けている今、本当に支援を必要としている人に支援はいきとどいているのだろうか。

    8. 軽度の知的障害を持った方に必要な支援はなんなのだろうか。今はどんな支援があって、どんな問題があるのか。

    9. p113に書いてあるような虐待を防止する支援を実現するためには、どのようなアプローチをすればいいのだろうか。

    10. 教員に本書が求めるようなスキルを身に着けさせることはできるのだろうか。

    11. 生きやすい世界にするためにはどうすればいいのだろうか。(彼らの内面を変えるのではなく、社会を変えるとしたら)そもそも生きやすい世界とは。

    12. 本書の解決策以外にいい対策はないのだろうか。

    13. トレーニングを行えば解決できるのだろうか。

    14. 学校教育に丸投げでいいのだろうか。そもそも、学校教育の転換は実現できるのだろうか。

    −3. このステップを踏んでいただき、私が皆さんになげかける「疑問」5本の中から1本を選んで、回答してください。

    【皆さんに投げかける疑問】
    1. p6 に書かれているように、現代は現場のニーズに応えられているかどうかが重要視されています。皆さんなら、現場のニーズに応えるためにどのような行動や対策をとるべきだと思いますか(自由な状況・条件で答えてほしいです)。

    2. 非行少年が生まれる要因として、生活環境は関係していると思いますか。理由も教えてください。

    3. p20の少年が描いたものを再現した図を見てどんなことを感じましたか。直感的でいいので、著者以外の見解を教えてください。

    4. p34の少年が描いたものを再現した図を見てどんなことを感じましたか。自由に書いてください。

    5. 本を読む前と呼んだあとで、どのような心境の変化がありましたか。

【申込&事前課題提出先】
 shingi(アット)obirin.ac.jp 高橋 審議
 yoneda(アット)fmics.org 米田 敬子

★11月の推薦図書★
 藤原 伊織 『テロリストのパラソル』 角川文庫
 推薦者 三井 道隆 (三菱商事関西支社事業開発部部長代行)

★12月の推薦図書★
 石牟礼 道子 『苦海浄土』 講談社文庫
 推薦者 小坂 和輝 (こども元気!!クリニック・病児保育室 理事長/院長)

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2021年10月14日

FMICS 茶話会 LOUNGE 詩について(仮)

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 「FMICS 茶話会 LOUNGE」は、ワイワイガヤガヤ“あったかさの自己表現”をする「安全な場」です。
 毎月第2と第5木曜日。少し遅めの午後10時(22:00PM)からスタートします。

■参加資格
 FMICS会員。皆さまが責任を持って紹介されるお仲間は、ゲストとしてご参加いただきます。

■タイムスケジュール
 挨拶TIME: 5分間 参加者全員一言自己紹介
 発表TIME:10分間 最大延長+5分間
  「日常」(拡大解釈を歓迎します)を切り取ってください。発表者は、話しの内容を圧縮したCATCH COPYにします。
 応援TIME:15分間 発表者がホクホクするように、参加者はほめます。

■発表
○2021.10.14(木)20:00〜 城内 康文 (早稲田大学 2年生)
「詩について(仮)」

■問合先 米田 敬子 yoneda(アット)fmics.org

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タグ:城内 康文
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2021年10月06日

物を「もの」と呼ぶか「モノ」と呼ぶか

 前号の本欄で万年筆の話を少しだけした。この万年筆、それこそワンコインで購入できる物から、豪華な装飾を施されていてサインを書くのも躊躇われる代物まである。普段使いの物であってもペン先やインクに拘り、自分にとって気持ち良い仕様になる物を追い求められる。しかも、定期的にメンテナンスすれば、それこそ孫の曾孫の代まで使い続ける事ができる。無論、持つだけで「おぉ〜」と言われる万年筆ブランドも数多くあり、周囲からの注目を浴びるために持つというのもあるだろう。

これと似た嗜好は時計にも当てはまる。最近ではすっかり時計を持つ人は少なくなったが、私は自動巻き腕時計2本と懐中時計1本持っている。しかし、そのどれもが結構な頻度でメンテナンスしなければ購入当時の性能を維持できない反面、万年筆と同様に孫の曾孫まで使い続ける事ができる。また、時計は万年筆以上にアンティーク性・ヴィンテージ性が高く、それこそ家1軒分位の価格の時計が今でも登場している。大半の人はこのメンテナンスを面倒がって、持つとしても電池式時計に行きがちでる。無論、電池式時計にはそれなりの良さがあって、手巻き時計にはない機能を搭載させる事ができる。ただ、高性能時計は発売から10年ほど経過すると部品供給がほぼ完全になくなり、手巻き時計ほどの長期使用ができない。

 時計は時間を計測する機械だから「時計」なのである。これはこれで間違いではないのだが、個人的には電池式時計を「時計」とはあまり言いたくない。高性能時計であるほどそう呼びたくない。むしろ「ウォッチ」と呼んだ方が(私には)しっくりくる。私がすっかり古い世代の人間に属しているからなのだろうが、時計と呼ぶに相応しいのはメンテナンスを通じた長期使用を(ある程度)前提にした手巻き式時計だけだと感じている。無論、時計に本来の機能以上の価値を感じない人には、時計を「時計」と呼ぶか「ウォッチ」呼ぶかはどうでもいい話である。それと同じで、文字を書く機能だけを満たしさえすれば、それが鉛筆であれ、ボールペンであれ、万年筆であれほぼ無差別である。だが、こうした拘りが人をして輝く存在になるのではないか。

 スマートと言えば格好良いかもしれないが、見方を変えれば機能に本来持つ価値以上の価値を排除しているとも言える。スマートフォンに正確な時計機能が付いているから腕時計を付ける必然は失われている。だが、家電量販店に行けばスマートフォンのカバーが夥しく陳列されている。これが人間心理のどういう側面を表しているのか?ここを理解できれば、周辺環境のモヤモヤを少しでも解消できるのではないだろうか。

(中村 勝之)

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パルスオキシメーター

 新型コロナウイルスの感染拡大で感染者が重症化するかどうかを把握する医療機器「パルスオキシメーター」、原理を考えたのは日本の技術者で4月に84歳で亡くなった青柳卓雄さんであると朝日新聞天声人語(2021年8月28日)で知った。

 パルスオキシメーターは、血液中のヘモグロビンがどの程度酸素と結びついているかを示す「酸素飽和度」を光で測定する機器。酸素飽和度の数値は症状の程度を見極める目安の一つになっている。現在では指先に挟んで測るのが一般的である。

 新潟に生まれ、新潟大学工学部で学び島津製作所入社。光に関わる仕事を希望して1971年に日本光電工業に移り、医療機器の開発研究に力を注いだ。心臓から送られる血液量を光で測る機器を改良するための研究をしていた時、光を当てることで酸素飽和度を正確に測る原理を発見した。当時、酸素飽和度を安定的に測定することは不可能とされていただけに、青柳さんは学会誌の回顧録の中で「こんなうまい話が、この世にまだ残っているとは」と振り返っている。

 1973年に学会で発表。その後、日本光電は耳たぶに挟むだけで酸素飽和度が測れるパルスオキシメーターを開発した。指先に挟むタイプに進化すると世界に普及していった。パルスオキシメーターは現在、全身麻酔手術に欠かせない医療機器として定着。新型コロナウイルスの感染者が増えた際は、厚生労働省が軽症者の宿泊施設などに配備を促すなど注目が集まった。

 青柳さんは2002年に紫綬褒章を受章。2015年には米国電気電子学会が医療分野の技術革新者に贈る賞を日本人で初めて受けた。日本光電の小林直樹・特別研究員は「論文を書くより、役に立つものを作りたいという根っからの技術屋でした」。その死を悼んだ米イエール大の名誉教授は、青柳さんを2013年のノーベル医学生理学賞の候補に推薦したとの秘話を明かした。この計器に毎日お世話になりながらご冥福をお祈りします。

(宮本 輝)

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タグ:宮本 輝
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