2022年02月02日

分かる人しか分からない名言2選

 早速本題に入ろう。まずは1つ目。
「デザイン(形態)は機能に準じる」
 この名言の起源は諸説ある様だが、アメリカの建築家ルイス・ヘンリー・サリヴァンが語った事で有名で、ドイツの時計学校バウハウスでも語られていた様だ。ある製品においてデザインと機能を高次元でバランスさせる事は案外難しいものだ。機能を追求するほどにその(外装)デザインは類似する傾向にある。今各人の手にあるスマホと隣人のそれを見比べてみるといい。大きさや厚み、カバーはそれぞれ異なるが、中身はほぼ同じである。それはスマホに含まれる機能を具現するのにあの形が最適だからだ。類似した機能を持つ類似したデザインの2つの製品、我々がどっちを買うかと考えれば、結局「価格」の話になってくる。価格を基礎にするマーケットシェアの奪い合いは共倒れする可能性があるため、デザイン面での差別化を図ろうとする。ただ、デザインを重視する程に機能を犠牲にする可能性がある事に注意しなければならない。

 次に2つ目。
 「美は細部に宿る」
 この名言はドイツの建築家ミース・ファンデル・ローエが語ったものと言われている。この名言を理解するには装飾品をイメージすればいい。どれだけ繊細に作り込まれた装飾品を手に入れたとしても、それを身につける人とのバランスが悪ければお話にならない。なので、上質な装飾品を手に入れたいのであれば、身につける人自身の品格をその装飾品とバランスの取れるレベルにしなければならない。で、この品格なるものは実に些細な部分から表出するものである。ちょっとした気遣いの言葉、文房具の使い方、箸の上げ下げ、…。枚挙に暇ないが、大半の人が意識しない所にその真髄があるのは間違いない。

 上記2つの名言を確認できる局面がどこかと考えて思いついたのがプレゼンである。上手いと評されるプレゼンターを真似る事、プレゼンは今回の文脈だとデザインに置換できるし、デザインを真似る事自体は学ぶ上で重要な事である。だが、それで終わっている人が案外多い。なぜそれに気付けるかと言うと、中身がスカスカだから。中身は今の文脈だと機能に置換できるが、機能すなわちプレゼン内容が形態すなわちプレゼンデザインとバランスしていないのである。とはいえ、プレゼン大会等で概してプレゼンデザインのいいグループが入賞する実態を思えば、上記2明言を理解してもらうのは至難の業の様だ。

(中村 勝之)

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明治R1の受験生応援企画

 株式会社明治は、「明治プロビオヨーグルトR-1」において『悩める受験生の親の会』をテーマにした2022年受験応援企画を展開。これは2021年に展開した“受験生あるある”を始めとした受験生応援企画に続くもの。昨年の広告の一つ、渋谷駅前に掲げた屋外看板「墾田永年私財法」は情報番組の放映時に多く映り込み話題を集めたとのこと。

 今年は受験生ではなく、“受験生を陰から支える親”に着目。大学入学共通テストに合わせてツイッター上に集まった受験生の親の愛情あふれるメッセージをそのまま広告に活用。掲出場所は、都内最大級の試験会場である東京大学の最寄駅「南北線東大前駅」「京王井の頭線駒場東大前駅」と、試験会場に向かう「東京メトロ銀座線・丸ノ内線」。試験会場の最寄駅と路線には、受験生の親たちの愛情あふれる言葉が並んだ。「まあ気楽にやったらええけん」「忘れ物ないん?受験票もったん?」「今夜は焼肉よ」「母のパワーを全部送ります!」「お風呂沸いてるから入りや」「お母さんは応援しかできないけど、絶対に誰よりも応援してるよ。」「あれだけ努力してきたのだから大丈夫。あれだけ貴方ほど努力した人はいない。自信を持って。落ち着いて、集中。」「いつも通りやるだけや」「バンガレ」。

 今回、そんな親たちのエールを試験会場の最寄駅で展開した広告は、試験会場に向かう際(行き)と試験会場から帰る際(帰り)で見えるメッセージが変化する仕組みになっていた。南北線東大前駅の広告の一部には見る角度によって全く異なるデザインへ切り替わるベローズプリントを使用し、駒場東大駅前では階段広告を活用した。

 「受験本番に仕掛ける本広告では、”親御さんの溢れる愛情“を少しでも多く届け、表現するために、行きと帰りで見えるメッセージが変わる仕掛けを施しました。試験に挑む行きでは、『まあ気楽にやったらええけん』『緊張したらお母さんの一発ギャグを思い出して』『事前にトイレ行っとくんだよ!』『母のパワーを全部送ります!』『お父さんも今晩は飲みます』『とにかく全部埋めるように』『落ち着いてね!』などの緊張をほぐそうとする一言を。帰りには、『ほんと、よくがんばったね』『出し切ったか?』『お風呂沸いてるから入りや』『ギュッとしていい?』『今夜は焼肉よ』『あなたを誇りに思うよ』などの頑張りを労う一言を、受験に挑むわが子のことを常に気遣う姿勢、親御さんの包みこむような愛情を届けることで、受験生を応援しようと考えました」(クリエイティブディレクター 加我俊介氏)

 『悩める受験生の親の会』では、Twitter上で受け付けた悩みや質問に受験の有識者が回答するTwitter相談会や、受験生の親御さんの本音を明ら1かにするアンケート調査、受験生の親御さんの気持ちを吐露する新聞広告などを展開、見守っていきたい。

(宮本 輝)

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