「外」とのつながりを探る中で、意外な組み合わせも生まれた。アパレルの有名イベント「ビームス」、「アダストリア」の「niko and・・・」や生活雑貨の「ロフト」などとコラボして成功。当初反対もあったが、藤崎氏は接点がない人とのつながりを図り、ドムドムのゾウのキャラクター「どむぞうくん」が受け入れられるかどうかを知りたいという狙いを理由に説得したという。
前例を踏襲しないのはハンバーガーも同じ。復活を象徴するのが「丸ごと!!カニバーガー」。19年10月に期間限定で発売したところ、ソフトシェルクラブを丸ごと揚げて挟んだインパクトある姿が話題になり、SNSで拡散された。税込990円という異例の高価格にもかかわらず、売り切れが続出。店の売り上げを2〜1割底上げした。カニバーガーは冷凍カニの解凍から始めるなど、その複雑な調理方法も異例。藤崎氏は「おいしいのはお客様への最低限の約束。そのうえで独自性をというのが基本的な考え方。(作る手順が大変な)カニバーガーについては、スタッフには感謝しかありません」と話す。
出店にもこだわりがある。藤崎氏は「数」重視ではなく「意義ある」出店をしたいという。一例が20年9月に東京都台東区の遊園地「浅草花やしき」内に開いた店。検討した時期はコロナが流行し始めた頃で、テレビなどで連日、浅草・雷門前の閑散とした様子が伝えられていた。「そんな時期ですから反対もありました。でも、浅草に元気を、そして浅草で東京に元気を、東京で日本に元気を、と考えたのです」。花やしき店の業績は順調だという。
そして藤崎氏は熱を込めて言う。「ドムドムブランドは長年愛され、守られてきたのだなと感じています。こちらから押しつけるのではなく、お客様やスタッフの人生に並走し、『共感共存』しながら今後もブランドを構築していきたい。」私も藤崎氏の「共感共存」を活かして学生食堂業者さんと契約更新!
(宮本 輝)

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