実際に50代になるとよく分かる。外見的要素が急速に劣化していくのである。言い訳に近いが、40代中盤から老眼が始まり、割と早い段階で遠近両用メガネを使用する様になった。無論、最近まではズボラして細かい字を読む際にも単焦点メガネを使っていたが、それでが誤魔化しきれなくなった。皺が増えたのは相性の悪いメガネをかけているからだけではない。50代に入ると見事に代謝が低下してくる。同じ食生活をしているにも関わらず,出て欲しくない部位が着々と増えてくるし、重力に対して筋肉が対抗できなくなってきている。
なぜそれを自覚できたかと言うと、鏡を見たときに余りにもの皺の増加に愕然としたからである。学生たちは教員の容姿を観察してないと勝手に思っているが、いやいや、滅茶苦茶見ている。学生同士の会話に耳を傾ければよく分かる。対面授業が復活してきたのだから尚更である。時代と言われればそこまでかもしれないが、50代男子(?)においても、最低限容姿に気を配るだけの配慮(余裕?)が要求されてきているのは間違いない。
とは言え、先達に「右に倣え」の如く頑固になり始めた私にはアンチエイジングの最新手法を積極的に取り入れる程の器量は失くなってきている。容姿の劣化は感受性も劣化させる。このままだとまずい、だが極力簡単かつ継続可能なものは…と周囲を観察して、見つけましたよ。格好のアイテム。それが「階段」である。幸いにして私のオフィスは12階建てビルの12階にあり、しかも私は愛煙家。喫煙を理由に(半ば無理やり)移動すれば結構な運動量になる。そう思ったが吉日、3月中旬から、ビル内の移動の全てで階段を使う様になった。そこから1か月。現状では2kg弱の減量に成功している。ただ、ここから暑くなる季節になるので、冷房の効かない階段の上り下りが物理的にできるのか?その辺はなってから考える事にしよう。
容姿の劣化を防ぐのなら、本当は晩酌をやめて(せめて休肝日を設ける)喫煙をやめればいいのでは?恐らくそれは正しい。だが、私も業の深い人間。ある程度の欲にまみれつつ節制する生活を実践したい。この相矛盾する方向を何とかする方法はある様である。
(中村 勝之)

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