2023年08月26日

FMICS 8月例会(第765回例会) 変わる学生 私は金太郎飴になりたくない

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 金太郎飴になりたくない。学生・生徒たちは、確実に変わり始めてきています。変わらないのは親世代の価値観。金太郎飴をキーワードにして、時代の今と明日を多面的・多層的に整理します。 皆さまには、お仲間に加え、学生・生徒さんへのお声掛けをお願いいたします。
 
中村正史さまからの熱いメッセージです。
 『東大生のジレンマ〜エリートと最高学部の変容』を読んだ私の娘の友人(30代前半)が以下の感想を送ってくれました。
 「題名を見た時の第一印象は、『東大生なんてそもそも自分とはスタート地点も違うし、彼らのジレンマを知って何になるんだろう』というのが正直な感想でした。でも読んでいくうちに、@日本への希望、A自分に刺さる、背中を押される数々の言葉がありました。私は自分に自信がなくて、このままじゃダメだと思っていた時にこの本に出会い、努力し続けている人でもこんなに悩み、頑張っているのだから、自分に逃げずに向き合って、行動を起こそうと決意しました」
 私がなぜ東大生の変化を取り上げたかといえば、東大で起きている変化は日本の大学の変化を象徴するものだと思ったからです。日本社会で東大は特別視されることが多いですが、東大生は何も特別な存在ではなく、現在の大学生全般に共通する変化です。
 本書に登場する学生たちの言葉を読めば明らかなように、タイトルの「ジレンマ」が意味するのは、親を含めた周りから望まれる進路や生き方と、そうしたレールから外れてでも、自分のやりたいことをする、自分の進む道は自分で決めるという生き方との葛藤です。
 今回のFMICSのテーマ「私は金太郎飴になりたくない」は、まさに現在の高校生や大学生に通底するものです。
 日本の教育は大きな転換期にあります。この十数年、高大接続改革や大学入試のあり方が議論されてきました。その着地点とも言える共通テストの評価はさておき、重要なのはバブル期までの経済を支えた日本の教育は限界に達していることが共通認識になったことです。
 周りと同じことをするのが正解だった社会から、自分の興味・関心に従って周りと違うことをすることが求められて社会へ。私はここに教育の未来、日本の未来を感じています。
 8月例会では、高校生を交えて、「金太郎飴になりたくない」ムーブメントの現状とこれからのことを掘り下げることを期待します。

【日時】 2023年8月26日(土)
   研究会 20:00〜22:30(Breakoutsession 含む)
   茶話会 22:40〜

【使用媒体】 Zoomミーティング

【テーマ】 変わる学生 私は金太郎飴になりたくない

○問題提起
 中村 正史 (大学ランキング元編集長・朝日新聞THINKキャンパス総合監修者)
○コメント
 中村 勝之 (桃山学院大学 経済学部教授)
 片山 英治 (野村證券(株) 金融公共公益法人部主任研究員) 
 西澤 美佑 (小松大谷高等学校 2年生)
 向島 雄気 (多摩大学附属聖ヶ丘高等学校 2年生)
 野澤 未来 (多摩大学附属聖ヶ丘高等学校 2年生)
 長井 美沙希 (東洋大学 社会学部第ニ部社会学科1年/就職・キャリア支援課職員)
○総括
 宮下 明大 (立命館 東京キャンパス所長)

【参考図書】 中村 正史 『東大生のジレンマ』


【参加費】 年会費完納者:無料、社会人:1,000円、学生:無料
 ●ゆうちょ銀行振替口座(旧 郵便振替口座) 00170-9-132915 
  加入者名:高等教育問題研究会
 ●三井住友銀行 飯田橋支店(888) 普通 5114947
  加入者名:コウトウキョウイクモンダイケンキュウカイ
 ●PayPal(振込手数料無料)
  振込先アドレス: fmics1981(アット)gmail.com 

【申込&問い合わせ先】 yoneda(アット)fmics.org 担当:米田 敬子
 参加定員 40名
 申込締切 2023年8月25日(金)
*お名前、ご所属、連絡方法、本月例会を何によってお知りになられたかをお知らせください。
*参加エントリーをいただきますと参加費の入金を確認の上、資料を送付いたします。

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出光ゼミ 116

egg2.gifこの勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者がそれぞれにネタ(話題)を持ち寄り、みんなで議論します。

●ネタは、気になった新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア、就活エントリーシートの原稿などなど、何でも構いません。ちょっとした事でも、他人の目に触れることにより思いがけない発見があるものです。ネタがなければ、近況報告だけでもOKです。

●ちびっ子連れの参加も歓迎で、終了後は、お食事会を経て近所の公園などでお遊びします。

●前回6月24日(土)の参加者数は、対面・Zoom合わせて大人5名+ちびっ子2名。文部科学省「令和4年度大学入学者選抜の好事例」に横浜市立大学医学部医学科の特別公募制学校推薦型選抜が選定された件、有料研修会の集客が厳しくなった背景、2025(令和7)年度の大学入学共通テストから『国語』の大問の配点が現行の「近代以降の文章」100点+「古典」100点から「近代以降の文章」110点+「古典」90点と変更になり各大学の入試配点で混乱が懸念される事、学生スタッフの採用と大学職員の採用の在り方を振り返る、といった話題などが寄せられました。

★実会場とZoomミーティングの併用で実施します。

【日時】 2023年8月26日(土) 午前9時30分〜11時30分

【実会場】 横浜市山内地区センター 会議室3A
  東急田園都市線・横浜市営地下鉄 あざみ野駅徒歩3分
  (横浜市青葉区あざみ野2丁目3−2 山内図書館と同じ建物で別の入口です)
  ※案内表示は「フミックス」です。

【Zoomミーティング】 ID等は申込まれた方に追ってお知らせします。

【参加費】 実会場の場合100円 + 昼食会1400円程度(収入による増減あり)

【申込】 naoki(アット)idemitsu.info (出光直樹@横浜市立大学) まで、お名前・ご所属・参加形態(会場かZoomか)をお知らせください。
 http://n-idemitsu.seesaa.net/category/25588543-1.html

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2023年08月22日

FMICS BOOK PARTY 45-364 『星の王子さま』サン=テグジュペリ

「FMICS BOOK PARTY」は、本を読んで=INPUT、人に伝えて=OUTPUT、理解を深めあう「安全な場」です。仲間とともに一冊の本を上下左右前後斜めに読むことの楽しさを共有します。この2時間で、あなたは心身ともに元気元気元気いっぱいになります。

【開催日時】 2023年8月22日(火)午後9時〜11時
【使用媒体】 Zoomミーティング

【指定図書】 サン=テグジュペリ『星の王子さま』


【推薦者】 松山 益代 (社福 慈紘園・慈紘保育園園長)
【参加費】 無料
【申込先】 yoneda(アット)fmics.org 米田 敬子
【参加定員】 15名
【申込締切】 2023年8月21日(月)
【事前課題】
  1. 自己紹介 400字以内

  2. 『星の王子さま』を読んだ直後の正直な感想を一文で表してください。

  3. 『星の王子さま』の帯のポップコピーを考えてください。

  4. アウトプットする=読み聞かせをしたいと思う3箇所を選んでください。

  5. あなたのお薦めの一冊の本をご紹介ください。

  6. 皆さまが生活している星に、王子さまがやってきたら、、で短編のお話しを作ってください

【これからの課題図書&推薦者】 
■2023年9月
 団野 和貴 (富士ソフト株式会社)
 『本を読む人だけが手にするもの』藤原 和博 日本実業出版社
■2023年10月
 中村 義実 (新潟県立看護大学 看護学部教授)
■2023年11月
 脇田 里子(同志社大学グローバル・コミュニケーション学部)
 『ルポ 誰が国語力を殺すのか』石井 光太 文藝春秋

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2023年08月10日

FMICS 茶話会 LOUNGE 夏本番!夏の暑さを乗り切る(楽しむ)ために、○○してます!!

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 「FMICS 茶話会 LOUNGE」は、ワイワイガヤガヤ“あったかさの自己表現”をする「安全な場」です。開始時間は午後10時からです。お気軽にご参加ください。

■日時  2023年8月10日(木)午後10時〜
■話題提供 金成 泰宏 (帝塚山大学 学生生活課・東生駒キャンパス)
■テーマ  夏本番!夏の暑さを乗り切る(楽しむ)ために、○○してます!!
■メッセージ
 気軽に、ゆるーく、ワイワイガヤガヤできればと思います。よろしくお願いいたします。

■問い合わせ先 米田 敬子 yoneda(アット)fmics.org

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タグ:金成 泰宏
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2023年08月09日

コロナが明けて消えた風物詩

 今年に入ってコロナ対応の行動制限が徐々に緩和され、人々の流れがコロナ前の状況に戻りつつある。百貨店に代表される小売業界の売上の戻りや外国人観光客の戻りなど、定期的に数値が報道されている。こうした町中に人の往来が盛んに行われる様を見るにつけ、「戻ってきたな」と実感させてくれる。我々の実感レベルで言えば、夏に開催される催事の復活が挙げられる。私の住む関西地方で言えば、祇園祭が通常開催されたのは喜ばしい限りである。また、全国各地で花火大会が復活したのも喜ばしい。こうした季節ごとの風物詩の復活も「戻ってきたな」と実感させてくれるものである。

 学校業界特有の風物詩と言えば何といっても卒業式と入学式である。あくまで私の職場の場合であるが、特に今年は入学式後に対面でのクラブ勧誘が復活し、桜が散った後ではあったが華やかな雰囲気がキャンパスに広がったものである。黄金週間を過ぎると落ち着いた雰囲気がキャンパスに広がるのもいつもの風景である。そんな中、コロナが明けてなくなった風景がキャンパスに広がっていた。

 それは学期末のキャンパスの閑散とした雰囲気である。コロナ前であれば、学期末ともなれば試験やレポート対策で学生達がキャンパスに足を運び、それまで落ち着いた日常が学期末の数週間は俄然騒々しくなったものである。無論、今年は梅雨明け以降災害レベルの猛暑が続いているから、それを嫌って通学しなくなったというのはあり得る。それ以上の要因だと個人的に思っているのが、学期末に試験ではなくレポートになった授業が圧倒的に多くなった事と、レポート課題の提示・提出がオンライン上で行われる様になった事が大きいと思われる。レポートに関わる質疑応答もオンライン上で行われるため、学期末にわざわざキャンパスに赴く必要がなくなった訳である。これが続く事になれば、興津氏が予てから指摘されている様に巨大なキャンパス維持が学校経営に悪影響を及ぼす事になるかもしれない。

 そんな中、私は対面授業本格復活に当たり、レポート課題の提示・回収・フィードバックの全てを原則対面で行うことにした(因みに、職場で春学期開講の約1200の授業のうち、公式に対面でのやり取りをしたのは私だけである)。事情により授業を欠席した受講生対応でオンラインを活用した。これで大学生に嫌われたのなら仕方ないと半ば開き直ってはいたが、概して評判は良かった。これはオンライン上でのレポートのやり取りからの差別化を図るとの同時に、提出されたレポートのフィードバックには対面で行った方が教育上の効果が高いとの判断が受講生には好印象にとって貰えた格好だ。

 恐らくだが、レポート課題等をオンライン上でやり取りする流れは止まらない。現時点では教育上の効果よりの講義進捗上の「楽さ」を選んだ結果得あるが、楽を求める人間の欲求自体は止められない。だが、そこはアラフィフな私。トレントと異なる方向なのは重々承知の上、敢えて昔ながらの講義スタイルを続ける事でキャンパスの風物詩を守っていきたい。

(中村 勝之)

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タグ:中村 勝之
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「溺れない」国に学ぶ

 日本は水難事故による死亡者数の割合が先進国の中ではダントツ1位。水難事故の件数ではそうでもないのになぜだろうか。国土の4分の1が海抜0メートル以下の低地であるオランダは街中に水路が走っており、毎年水路に落ちる事故が絶えない。日本は「○○川で事故があった、では落ちないように柵を作ろう」となり、オランダは「○○川で事故があった、では落ちても溺れないように着衣泳を学ぼう」となる。

 在日オランダ大使館で1992年バルセロナ・オリンピック競泳女子200メートル平泳ぎ金メダルの岩崎恭子さんが「着衣泳」を広めるための新たなプロジェクトを始めると発表した(毎日新聞7月13日(木)特集ワイド「フィールドの向こうに」)。

 着衣泳とは、水難事故や水害から命を守る方法。服を着て、浮輪代わりになる靴も脱がず。あおむけの姿勢で水に浮く。この「背浮き」で呼吸を確保し、慌てず救助を待つのが基本。「浮いて待て」は合言葉にもなっている。

 東日本大震災で着衣泳によって助かった事例があると知り、岩崎さんは各地の学校で指導してきた。今回の事業では、事故防止に取り組むB&G財団などの団体と幅広く連携。水泳教室を開催するほか、対策をまとめて国や自治体に提言する。岩崎さんは「夏になると川や海で亡くなる悲しいニュースを耳にする。まだまだ普及しておらず、広めたい」と話す。

 会見場所に大使館が選ばれたのは理由がある。オランダでは多くの人々が幼少期から着衣泳を学ぶ。このため河川や運河、水路に囲まれた国でありながら他国に比べて溺死の割合が低いという。大使館で広報を務める西本美穂さんは両国の考え方の違いをこう表現する。「日本では速く、美しく泳ぐために水泳を習うが、オランダでは溺れないために習う」。オランダでは、子供がプールで浮輪を付けず自由に遊ぶには「ディプロマ」と呼ばれる、水泳の国家資格がいる。義務ではないが、6〜16歳の取得率は9割超とのデータもある。資格試験の日は、家族がそろって応援に駆け付ける一大行事になっているという。

(宮本 輝)

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タグ:宮本 輝
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