なんだか私たちの暮らしている空間の居心地の悪さが、二つの質問で明確になってきた感じです。どうしてこんな空間になってしまったのだろう?
多くの高校生と大学生を見てきた私が感じることは、30歳前後の人から大きく価値観が変わっているように見えます。この人たちの価値観は、答えは一つしかないので、それ以外の答えが浮かばないので発言が出来なくなるようです。頭の中では、「間違っていたらどうしよう。バカだと思われるのが嫌だ。会話中のどこで発言すればいいのだろう。」とグルグル思考が回っているようです。結局は、「黙っていればどうにかなるんじゃないか」という感じです。
そんな人たちが、その先を求められると「答えを先にください。どこで発言するか合図してください。」と言動に表れてきます。それを見ている我々先輩は、「そんなことわかるだろう!この間もいっただろう!何回同じこといわせるんだ!」と勝手に切れてしまいます。
そんな言葉を浴びせかけられた人の行く末は、辞めるか!病気になるか!しかないですね。こんなことが、どこの現場でも同じように繰り返されています。そんな空間で暮らしている私は、今後日本の社会で発展していく企業のカタチを考えてみました。若い人たちがどうしたら、安心して働けるのかです。それが、問題発見解決型の人間力を養成することだといえます。でも、ここが問題ですよね。答えはわかっているけど、それをどのように具現化するかわからない。ここで教育機関にアクティブラーニングとラーニングコモンズの登場です。あぁ・・・なんてことを、これで解決できるわけがない。
人々がいやすい空間をどのように創りだすかが問題なのに・・・難しい話ではありません。人は一人では生きていけません。昔からある心を忘れないことです。「感謝する心を忘れない人」「ごめんなさい、すいませんがいえる人」「人を責めず、お互い様といえる人」「あなたがいるから幸せだと伝えられる人」そんな人になれる空間を創りだせばいいだけです。もし、この4つのことを常に考えている組織だとしたら、辞めますか?病気になりそうですか?こんな単純な話を大学で「事例や論文があるのか」なんて、難しくするのは、もうやめましょうよ。企業にお願いしたいのは、“安心して働ける職場作りをしてください”だけです。
(秋草 誠)

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