マシュマロ実験とは、子ども時代の自制心と、将来の社会的成果の関連性を調査した著名な実験。スタンフォード大学の心理学者・ウォルター・ミシェル(英語版)が1960年代後半から1970年代前半にかけて実施した。机の上には皿があり、マシュマロが一個載っている。実験者は「私はちょっと用がある。それはキミにあげるけど、私が戻ってくるまで15分の間食べるのを我慢してたら、マシュマロをもうひとつあげる。私がいない間にそれを食べたら、ふたつ目はなしだよ」と言って部屋を出ていく。
子どもたちの行動は、隠しカメラで記録された。最後まで我慢し通して2個目のマシュマロを手に入れた子どもは、1/3ほどであった。
ウォルター・ミシェルの娘も実験に参加した一人だったが、娘の成長につれ、ミシェルは実験結果と、児童の成長後の社会的な成功度の間に、当初予期していなかった興味深い相関性があることに気がついた。そして1988年に追跡調査が実施された。その結果は、就学前における自制心の有無は十数年を経た後も持続していること、またマシュマロを食べなかった子どもと食べた子どもをグループにした場合、マシュマロを食べなかったグループが周囲からより優秀と評価されていること。ウォルター・ミシェルはこの実験から、幼児期においてはIQより、自制心の強さのほうが将来のSATの点数にはるかに大きく影響すると結論した。2011年にはさらに追跡調査が行われ、この傾向が生涯のずっと後まで継続していることが明らかにされた。
最近のニュースを見ると、親の行動に自制心のない人が沢山いるような気がします。きっと、幼児教育の中で培われる行動なのだろうと感じます。この話は、絵本にして子供たちに伝えられるといいと感じたのと同時に、現在の日本の子供たちにこの実験をしたらどうなるのだろうという興味がわきました。
もし、私が子供の頃にマシュマロ実験を体験していたとしたら、間違いなくふたつ目のマシュマロを貰えていたはずです。でも、今ならすぐに食べちゃいますね。
(秋草 誠)

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