この話を聞いて思い出したのが、都内の大学で北海道の空知郡に短大を設置している大学の担当者と話した時のことです。空知郡の三笠市は私の出生地でもあります。今や市の人口約9,000人という人口減少のスピードをよく知っていて、その地域にある大学の募集が厳しいこともよくわかっていました。その方と話したのは、5〜6年くらい前の話だったと思いますが、短大の募集が厳しくて大変だから閉鎖も視野に入れなくてはならないというような話でした。
現状はどうなっているのか。当該地域の大学併設短大の入学者の推移を調べてみました。T短大は定員230名、入学者は平成30年217名、平成29年194名、平成28年186名。K短大は定員225名、入学者は平成30年244名、平成29年262名、平成28年205名でした。驚きの数字でした。2校は札幌から旭川に向かう途中の約100キロの場所に位置しています。こういう場所にある短大が定員オーバーや若干割れで収まる現象が生まれているのです。
恐ろしいもので、大学シャンパンタワー現象の波は、北海道の短大にまでいきわたったっているのです。この短大に入学した学生たちの中には、全国から編入狙いで北海道まで行った人も多数いると思います。この現象を感じ取り、数年後に起きることは予測できるはずです。来年の大学入試は定員充足率100%を目指し、補欠合格でスレスレの受け入れをするはずです。入学時は100%だったのが3年も経つと中退等で、大目に見ても90%強になるでしょう。その結果、大学の収入減が確実に起きるということになります。その先に大学が考えるのはきっと、今まで以上に編入の受け入れを多くするべきだということです。きっと短大や専門学校から多くの卒業生が、編入で大学に入学する現象が起きることになります。
さあ、大学の入試担当者みなさん、定員が満たされたとにんまりしていないで、3年後の自大学のために全国で定員割れに苦しんでいる短大に営業に行きましょうよ。高大連携もいいですが、これからは短・大連携ですよ。
(秋草 誠)

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