一つは、環境や組織が求めるものを自らくみ取って、実行できる力のことです。<中略> もう一つは、外部の環境や既存のルールにとらわれず、自分のやりたいように内発的な動機で考え、行動するタイプ。いわばルールブレイカーです。
曽和氏は“主体性”のイメージをAからDの4つに分類していました。Aタイプは、自ら変革を起こすルールブレイカー。Bタイプは、相手のニーズをくみ取り、自ら行動を起こす。Cタイプは、指示に従って適切に行動できる。Dタイプは、指示をされても適切に行動できない。AとBの二つが“主体的”があると評価される。Aタイプは個人の資質に負うところが大きく、BタイプとCタイプは、教育によって伸ばせるといっています。
上記のタイプを、私が出会った大学職員に当てはめてみると、Aタイプの人は、若干いると思いますが、大学の組織からはみ出しているように感じます。Bタイプの人は、主体性を持って行動しているように感じますが、多数とはいえません。Cタイプの人が圧倒的に多く、この中から組織のリーダーも生まれているような気がしています。曽和氏の4つのタイプに加えて、Dの下のEタイプもいます。Eタイプは、指示を出されても行動しようともしない人達です。
俗にいうパレートの法則2:6:2の下の2割です。企業ではEタイプが少ないのかもしれませんが、大学にはEタイプが多くいるような気がします。(それでも法則通り2割程度)曽和氏はCタイプのようなタイプをAタイプに育てようとしても無理が生じやすい。それよりも、CタイプをBタイプに育てることが教育に求められる役割だといっていますが、実際にCタイプをBタイプに育てられる教育が大学にあるのか、ないのか、ある大学があるかもしれませんが多くの大学にはないでしょう。そういえるのは、大学の組織がそうなっていないからです。CタイプからBタイプに変われる人材育成が、必要なことは理解できますが、それをどうするのかを大学は考えていないと思います。まさに大学の組織に「隗より始めよ」といいたくなりますね。
(秋草 誠)

タグ:秋草 誠
【巻頭言の最新記事】