2018年11月05日

公正? 公平? 平等?

 平成30年10月23日付けで文部科学省から、「医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る研究調査の中間まとめ」という書類が送られてきました。一部を抜粋します。「1、緊急調査の進捗状況 複数の大学においては、不適切である可能性の高い事案が発見されており、現在、それらの大学に対して、速やかに詳細な事実関係を確認し報告するよう指導しているところです。2、不適切である可能性の高い事案。3、疑惑を招きかねない事案。4、入学者選抜の公正確保に資すると思われる好事例。5、募集要項等の役割と入学者選抜の公正性。」2の不適切である可能性の高い事案では、「・現役生には加点し多浪生には加点しないなど。・年齢や性別等の属性によって取扱いに差異を設けている。・同窓生の子女等の特定の受験生については合格圏外であっても合格させている。」となっていました。気になったので、改めて関連ニュースを確認してみると、補助金の保留にまで話は進んでいました。

「私学助成の交付業務を担う日本私立学校振興・共済事業団が、アメリカンフットボール部の悪質な反則問題があった日本大と、医学部入試で女性や浪人生を差別するなどの不正をしていた東京医科大に対し、本年度分の助成金の1次交付を保留とする決定をしたことが23日、関係者への取材で分かった。事業団は来年1月に再び審議し、両校への減額の有無や減額幅を最終的に決めるとしている。」2018.10.23共同通信

「東京医科大学の不正入試をめぐり、大学側は、今年の入試で不当に不合格となった受験生50人に対し、来年春の入学を認める方針を固めたことが分かりました。」2018.10.25niftyニュース

「東京医科大学の不正入試問題で、大学を受験して不合格となった女性20人余りが今月末に大学に対して、入試結果の開示や受験料の返還などを集団で求めることを明らかにしました。」NHK NEWS WEB 2018.10.26

 日大の話は別にして、入試の公正を求めて話は大きくなっていました。大学のHPを確認してみると、10月26日に東京医科大学ニュースの見出しに「医学科進学説明会の開催中止について」とあり、内容は「本学では、進学説明会の開催を検討しておりましたが、諸般の事情により今年度につきましては、中止させていただくことといたしました。参加を予定されていた方々には、誠に申し訳ございません。」大学内部の苦悩がにじみ出ていました。

 不合格になった50人に来年度の入学を認めるということは、今回の入試枠が狭まったという事実が残り、医師を目指す受験生にとってはより一層厳しい状況に変わり、一連の説明が出来ないので、進学説明会は中止となったことは明らかです。調査結果が出ないとわかりませんが、医学部に関わる入試問題はまだまだ拡がる予感がします。

(秋草 誠)

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タグ:秋草 誠
posted by fmics at 18:02 | TrackBack(0) | 巻頭言
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