その仕事が悪いわけではありませんが、教職員から見ると学校の仕事ではなく、外の仕事ばかりして、いい顔しているという不満が聞こえてくるのです。「定員割れを起こしているのに何を考えているのか」とか「学生たちの居場所作りを考えたいのに何もしてくれない」というような、不満がたまっているのです。この話に該当するトップの方を見て、その方々の心境を私なりに考えてみました。「自分はそんなに実力もないのにどうしよう」「こんなに大きな組織に立ってどのように運営すればいいのだろう」というのが、本音ではないかと思います。あくまでも私見なので、そうではないかもしれませんが、それはこの FMICS ということで、お許しください。
そういう方が、自分の中でバランスを保つためにする行動は、自らの言動で示すのではなくある権威を担いだほうが、組織のみんなが認めてくれるはずだという錯覚に陥っているように見えます。文部科学省の委員だとか、協会の役員だとかが自分のバランスを保つための唯一のカタチだと思っているように感じます。当然、その学校の教職員たちは、表では凄いですね〜とゴマをすり、これが重なってくると本音で話してくれる辛口の人たちが疎ましくなってきます。ここまでくると、「裸の王様」の出来上がりです。その組織では、誰もが怖くて何も言えなくなります。挙句には学生のニーズも確かめずに、方向違いの学校運営が始まります。こうなるともうボロボロですね。学生募集がなぜ上手くいかないのかを内部のせいにして、何も提案しないまま民間の広報マンを採用したり担当者を変えたりという組織に変わっていきます。すでにここまでくると学校に対する愛着など薄れてきますので、自分の身の振り方だけを考えるようになります。イエスマンばかりを揃えて、外部の方に頼ってしまうという始末です。まあ、こうならないためにも他大学の教職員とネットワークを拡げて、年下の師匠を持つことをお勧めします。
(秋草 誠)

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