今年2018年12月例会のテーマは「大学淘汰時代を生き残る ボリュームゾーン大学のファシリティマネジメント」です。人口減少時代、土地建物はもはや「不動産」ではなく「負動産」にもなるとも言われています。新しい校舎を建てる。果たして、新しい校舎は、学生募集の切り札になるのでしょうか。大学ファシリティマネジメントの基本の基本について、大学淘汰の時代を意識して整理します。使う人=学生がいなければ、建物=校舎はあっというう間に老朽化するのです。
問題提起は、大学のファシリティマネジメントを研究されている桜美林大学大学アドミニストレーション研究科非常勤講師・竹中工務店の興津利継さんです。
■興津さんからのメッセージです。
大学、特にボリュームゾーンの大学にとって、18歳人口の減少は生命線を握る課題であり、大学が淘汰の時代を迎えつつあることは、多くの方が論じている通りです。
教員も職員も手をこまねいている訳には行かず、何らかの努力をしておられると思います。しかしながら、その努力は“自分のチームでなんとかなる、手の届く” 範囲に留まってはいませんか?
「ファシリティマネジメント(FM)はちゃんとやっている」という方も、長期修繕計画を立てて将来の必要予算を訴えるとか、新棟計画をFMの教科書に書いてあるように進めているとか、そういった場合が多いのかな……と思います。そして、大学の中でFMが施設関連の担当者だけの仕事と思われていることが最大の問題です。
担当者は与えられた職務の範囲でしか答えが出せない。外から大きな方針や方向性が示されなければ、現状の研究教育体制が今後も続く前提で解答を考えてしまう。自発的には大学改革の構図に則ったファシリティ戦略などは描けないのです。
施設、特に建物が持つ3つの特性、寿命が長いこと、財務負担が見えにくいこと、そして、階層 (※) 毎に可変性が異なることが驚くほど知られていないことも問題です(※は当日説明します)。
淘汰の波に打ち勝つには、社会要請に合致し、卒業生からもご両親からも高い評価を得て、環境も学生にとって魅力あるものに映る…そんな大学であり続けなくてはいけません。
月例会では、少し歴史を遡って大学経営が社会要請といかに乖離したのか、複数大学の財務諸表から見て危うい施設経営をしている大学がないか、大学設置基準から見て如何に大学の施設がバブリーか、等を例証しながら、大学経営の一員として持つべき常識感を共有していきたいと思います。
これから到来する本格的な淘汰の波に向かっては、聖域なき改革が必要となる筈ですが、何が正解なのか、どんな正解があるのかは、皆さんで議論し実践していくべき事だと思います。そのきっかけとなる事例を交えながら、討議の時間も設けたいと思います。
【日時】 2018年12月22日(土)
受付 午後3時30分
月例会 午後4時〜7時
懇親会 午後7時30分〜9時
【会場】 桜美林大学 四谷(千駄ヶ谷)キャンパス 305教室
(JR 千駄ヶ谷駅 徒歩6分 / 地下鉄 北参道駅 徒歩5分)
【テーマ】 大学淘汰時代を生き残るための
ボリュームゾーン大学のファシリティマネジメント
【問題提起】
興津 利継 (桜美林大学院 大学アドミニストレーション研究科非常勤講師/竹中工務店)
司会 高橋 真義 (桜美林大学 名誉教授)
【参加費】 会員1,000円 非会員2,000円 学生(会員・非会員問わず)500円
【申込先】 米田 敬子 yoneda(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。

タグ:興津 利継