2019年10月29日

【日程・会場変更】 FMICS 10月例会(第718回例会)これからの入試をデザインする大局観 〜“改革”政策に惑わされないために 〜

【2019/10/14更新】 諸般の事情台風19号に伴う横浜市立大学の入試日程の変更により、当初予定の10月19日(土)@横浜市立大学(横浜市金沢区)から、29日(火)@横浜市山内地区センター(横浜市青葉区)に日程と会場を変更します。

【2019/11/5 追記】 当日の発表スライドと配布資料の一部を掲載します。

【2019/11/10 追記】 会報『BIG EGG』に掲載した「例会のまとめ」を収録した出光のブログ記事はこちらです。


■高等教育問題研究会 FMICS 2019年10月例会(第718回)をご案内いたします。問題提起は、横浜市立大学アドミッション専門職・学務准教授の出光直樹さんです。
 入学者選抜は頓挫の歴史だと言われています。2021年に実施される入試改革まで残すところ1年半ですが、その詳細がすべて明らかにはなっていません。入試改革中止を求める高校生らのデモ、全国高等学校長協会の延期要請などは、不安が故のものです。
 さらに、文部科学省から突如だされた2021年度からの大学入学共通テストにおける英語の民間資格試験の利用について、対応をこの9月30日までに公表せよには驚かされました。高校生が受験する民間英語の試験の申込が10月から始まってしまうため、混乱を避けるためとはいえ、大学関係者からすると少し急すぎではないのかと思わざるを得ません。
 グローバル化や働き方の高度化に対応するための人材養成を意識した入試改革、誰もが納得する、受験生が改革の被害者にならない改革はあり得るのでしょうか。
 Volatility=不安定、Uncertainty=不確実、Complexity=複雑、Ambiguity=曖昧、VUCA時代、浮き足だって、足下を払われないようにしたたかでありたいものです。
 10月例会では、可能なかぎり、入試改革を皆さまと整理いたします。三人寄れば文殊の知恵、ワイワイガヤガヤと語り合うことにいたします。

■出光さんからのメッセージ
 数年間にわたる高大接続改革の議論の流れを行けて、2021年度入学者より適用される大学入試改革に対しては、それが円滑に実施が出来るのか不安視する声や、導入の見送るを求める声が相次いでいます。
全国高等学校長会の意見・要望
 現行の「大学入試センター試験」の替わりに新たに導入される「大学入学共通テスト」では、国語と数学で記述式の問題が出題されることになりましたが、限られた時間的制約の中で50万人もの受験者の解答を公正かつ安全に採点できるのか懸念されるとともに、受験生による自己採点が困難であることも、1次試験としての位置づけの中では大きな課題となっています。
 英語については、「大学入学共通テスト」の中で筆記とリスニング試験が実施されるとともに、4技能を評価する民間英語資格も合わせて活用することとなりましたが、これについても50万人規模の受験生が、原則として受験年度の4月〜10月という限られた期間の中で無理なく民間英語資格を受検することが出来るのか、懸念されています。
 高校生の学習離れということが主要な問題関心に含まれていた高大接続改革の議論でありましたが、「高大接続テスト」「達成度テスト(基礎レベル)」「高等学校基礎学力テスト」などとして構想されていた仕組みについては、結局のところ既存の検定試験を認定するだけの「高校生のための学びの基礎診断」の仕組みに矮小化され、中間層以下の高校生の学力を評価し担保するためのインフラ作りは手付かずのままです。最近公表された調査研究(山村滋/濱中淳子/立脇洋介『大学入試改革は高校生の学習行動を変えるか』)でも、近年の入試改革は、ほんの一部の高校生にしか影響を与えていないことが報告されています。
<参考記事「2020年度の大学入試改革 高校生「学習離れ」防げず」日本経済新聞2019/8/12
 日本の高大接続(入学者選抜方法)は、諸外国では当たり前のインフラを欠いたままに、一部の入試機能だけが肥大化する独特なスタイルを作り上げてきました。今回の改革で取り残された課題を見極め、各大学において本当に適切な入試の在り方をデザインするための視点を考えてみたいと思います。


【日時・変更後】 2019年10月29日(火)
   受付 午後6時15分
  月例会 午後6時45分〜8時45分
情報交換会 午後9時00分〜10時00分


【会場・変更後】 横浜市山内地区センター 2階 会議室2
  東急田園都市線・横浜市営地下鉄 あざみ野駅徒歩3分
  (横浜市青葉区あざみ野2丁目3−2 山内図書館と同じ建物ですが、入口は別になります)
  ※案内表示は「フミックス」です。

【テーマ】 これからの入試をデザインする大局観
   〜“改革”政策に惑わされないために 〜


【問題提起】 出光 直樹 (横浜市立大学 アドミッション課専門職・学務准教授)
 <司会> 高橋 真義 (桜美林大学 名誉教授)

【参加費】 会員1,000円 非会員2,000円 学生(会員・非会員問わず)500円

【申込先】 米田 敬子 yoneda(アットマーク)fmics.org
 *お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
 *当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。

★横浜市立大学の関係者(教職員・学生)は、
出光 直樹 idemitsu(アットマーク)yokohama-cu.ac.jp 宛に
ご連絡ください。(別途お知らせがあります)

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posted by fmics at 18:45 | TrackBack(0) | 月例会
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