随分以前になりますが、2011年12月と2012年5月の2回の月例会で、日本企業の「正社員」を巡る独特の雇用労働システムを包括的に説明するものとして濱口桂一郎氏が提唱した、「メンバーシップ型」というモデルを紹介、大学(事務)職員についても「メンバーシップ型」と考えることができるのではないかという話をさせていただきました。今回の公開SDは、いわばその続編にあたるものです。
今回のポイントは3点です。
第1に、日本の大学職員の最大公約数的な本質は「メンバーシップ型」人材、言いかえると「日本型サラリーマン」であるという点に求められるのではないかということ。
第2に、慶應義塾大学の職員から教授となり、大学行政管理学会の初代会長でもあった孫福弘氏は、「日本の大学職員はプロフェッショナルにならなければならない」と主張しましたが、「プロフェッショナル」の条件とは何でしょうか? そして、氏の急死から約15年がたった現在、大学職員は「プロフェッショナル」になったのでしょうか? 私にはそうは思えません。
第3に、では日本の大学職員が「プロフェッショナルならざる日本型サラリーマン」であったとして、それが「企業」ではなく「大学」の中に存在すること、それも「事務局」という強い独立性を持った「組織内組織」に一元化されていること(これも世界的には特異なあり方です)はどういう意味を持つでしょうか?そして、日本の大学の「現在」と「将来」にどう関係してくるのでしょうか?
役に立つかどうかはまったく保証できないのですが(特に短期的な意味では)、他では聞けない話にすることはお約束します。
(菊池 芳明)
![]() | 【日時】 2020年2月6日(木)15:00〜16:30 【会場】 横浜市立大学 金沢八景キャンパス YCUスクエア4階 Y401教室 【参加費】 無料 【申込先】 横浜市立大学 人事部人事課 sd_plan@yokohama-cu.ac.jp *2月5日(水)までにお申し込みください。 |

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