2021年07月07日

コロナが推す学び/はたらく細胞

 厚生労働省と講談社は人気漫画「はたらく細胞」のうち新型コロナウイルスに関する2編を動画配信サイト「ユーチューブ」で無料公開を始めた。正しい知識を楽しく学んで対策に生かしてもらうのが狙い。国際協力機構(JICA)の支援で、英語やヒンディー語への翻訳も進めている。

 日本経済新聞2021年7月2日(金)「ヒットのクスリ」(中村直文編集委員)でも取り上げている。近年話題になった漫画・アニメの「はたらく細胞」、2015年に始まった本編は終了したが、スピンオフ漫画や関連企画は継続中でシリーズ累計700万部を超えている。この「細胞擬人化漫画」を簡単に説明すると、身体が街というか都市、国に見立てられ、これを守るため、白血球(クールな男性)や赤血球(少しドジな女性)、血小板(少女たち)などが作業員あるいは戦士として活躍するドラマである。

 例えば、街(身体)に入り込んだ細菌やウイルスなど外敵を、戦隊シリーズのように苦戦しながらも撃退していく。敵は花粉症だったり、インフルエンザだったり、その都度、「イケメン」のB細胞や、キラーT細胞などがヒーローとして暴れまくる。

 この想像力あふれる着眼点のきっかけは、著者の清水茜さんの妹が生物の授業中に描いた「細胞の擬人化イラスト」がベース。これを基にした新人賞の読み切りが講談社で大賞を受賞し、連載化した。編集担当者によると、当時の編集長(月刊少年シリウス)が「これが売れなかったら、編集長を辞める」と言うほど期待が大きかったとのこと。

 今年2月に発売した第6巻には再生医療に使うiPS細胞が登場、最終話にはなかなか倒せないウルトラマンのゼットンのような「強敵」、新型コロナウイルスが現れる。こうした化学モノは男性からの人気が高いが、はたらく細胞は10〜20代の女性からの反響が大きく、2度も舞台化した。

 中村編集委員は、作家の井上ひさし氏の名言を引用し「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでもゆかいに」はコンテンツマーケティングの極意であると結ぶ。

(宮本 輝)

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タグ:宮本 輝
posted by fmics at 18:02 | TrackBack(0) | 巻頭言
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