2021年8月「こんなペヤングが食べたい」「会社に送ってみよう」と盛り上がり、「ペヤングさんの商品が大好きで普段から食べています。食べてみたい商品を考えたので、高校生の意見として参考にしていただけたら幸いです」。そんなメッセージとともに60通りの商品案をA4判の紙4枚にまとめ、みんなで楽しそうにペヤングを食べる様子を収めた写真を添えて送った。
それから10日後、「ペヤングソースやきそば」を製造する「まるか食品」(群馬県伊勢崎市)の丸橋社嘉一長から思わぬ内容のファクスが高校に届いた。感謝とともにつづられていたのが「ぜひ共同開発できれば」。さっそく、同社製品開発課の担当者とオンラインで打ち合わせを進め、10種類以上を試作し、部員の熱意に応えた。その後、(1)たこめし風 (2)わさび醤油味(3)宇治抹茶味 (4)沖縄ソーキそば味
(5)三陸海岸海鮮あんかけ (6)防災食用−の6種類に絞られ、うち2品の商品化が決まった。
7日発売の「たこめし風」は、独自製法の「たこボール」を使い、町特産のタコを使ったたこ飯の味を再現した。考案した2年生は「かめばかむほどうま味が出るたこボールの食感がおいしい」と評価した。21日発売の「わさび醤油味」は、海産物が名産の地元でなじみ深い調味料を組み合わせ、具材にも茎ワサビを使った。提案者の1年生は「ツンとしたわさびにしょうゆ、刻みのりの組み合わせが何度でも食べたくなる」と喜ぶ。
顧問の教諭は「高校生の意見に想像を上回る対応で付き合っていただき本当にありがたい」と感謝する。新商品は欠かさずに買うという筋金入りのペヤングファン。「挑戦を続ける素晴らしい企業。生徒も仕事に真剣に向き合う大切さを学んだと思う」。まるか食品にとっても高校とのコラボは初めてだった。担当者は「生徒の皆さんのペヤング愛と、東日本大震災の復興への思いに応えたかった」と話す。ともに税抜き205円。売上金の一部は地域貢献の一環で志津川高に寄付される。
昔は高価だったカップ麺。若いカップルに2人で1つのものを仲良く食べてほしいという願いから、「ペア」と「ヤング」で「ペヤング」という名前になった。名前に込めたものがヤングのペヤング愛へ成長中!
(宮本 輝)

タグ:宮本 輝
【巻頭言の最新記事】