2023年04月05日

「忍者」雌伏15年

 日本経済新聞『ヒットのクスリ』でお口のお供である“忍者”を見かけた。明治がガムの主力製品「キシリッシュ」と「プチガム」の販売を3月末で終了した。取って代わったのはグミやタブレット菓子。「ガムの食感要素はグミ、ミントなど香り的な要素はタブレットに分化していった」(UHA味覚糖)。そんなグミの勢いを示している商品がある。味覚糖の「忍者めし」シリーズ。奇抜なネーミングは一時的な話題で消えてしまうケースが多いが、忍者めしは今年で15歳となる。

 味覚糖がグミを始めたのは、同社会長が欧州を訪問したことがきっかけ。子供たちが当たり前のように食べている姿を見て、ドイツ企業から技術供与を受け1985年に発売した。それ以来、市場をけん引し、「シゲキックス」などのヒット商品も世に送り出した。

 近年のグミの成長力は大人需要の拡大にある。忍者めしは大人需要を象徴している。グミ市場が成熟化する中、「昆布や梅かつおなど和風味もいけるのでは」との声から和風味のシゲキックスを売り出した。しかし甘みのイメージが強いグミと和風の組み合わせはいまひとつうけない。そこで「小さいけど腹持ちのする忍者の兵糧のようなイメージはどうか」との意見から「忍者めし」が2008年に誕生した。

 あまりにとっぴなネーミングに社内で疑問視する向きもあったが、大学生協で火が付き、コンビニエンスストアなどにも広がった。10年代半ばに軟らかいグミが主流になり、硬めの忍者めしは一時的に下火になったが、再び硬めの時代が到来。「鋼コーラ味」を出した忍者めしの活動領域も広がっている。

 味覚糖は忍者めしに続き「コロロ」でもヒットを飛ばした。グミ分野は四角いパッケージの商品が多い中、おわんを斜めにした変わった形状が人気を呼んだ。豊富な品がそろうコンビニで買い物客を引きつけるワザは、「ときめき」と「あたらしさ」を経営理念に置く味覚糖ならでは。編集委員の中村直文氏は、ガムから「お口の恋人」をひきついだグミは今日も消費者の口内に忍び込んでいくと結ぶ。

 プロ野球の名称・野村克也氏が選手らに言い聞かせた語源説。TEAM、これすなわち、Together(一緒に)、Everyone(みんなで)、Achievement(達成する)、More(より多くのこと)の頭文字を並べたものという。どれだけ優れた選手がいても勝てない。個人の力にチームワークがかけ算されなければ・・・というのが野村さんの「TEAM論」。新年度「チーム〜」スタート!

(宮本 輝)

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タグ:宮本 輝
posted by fmics at 18:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 巻頭言
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