2024年11月13日

未知との遭遇

 「大人が学ばない国」の第一位は・・・「日本」である。パーソル総合研究所の調査によると、学習・自己啓発活動を「とくに何も行っていない」とする就業者が52.6%で、18ヵ国・地域の中で最も高い。(グローバル就業実態・成長意識調査−はたらくWell-beingの国際比較)。人生が教育・仕事・引退の3つのステージだとすれば、社会人として過ごす40年ほどの時間は最も長い。未知との遭遇がきっかけとなり、人は何かしらを学び、人生はより豊かになっていく。その中心となる時期に「何も行っていない」のは、もったいないように思う。

 振り返ってみると、親からは「今、頑張って勉強しないと後で苦労する」とよく言われた。深く考えたことはないが「後」とはいつだろうか。それは、すでに「今」なのだろう。

 そんなことを思い「これから先」と「今」をどう生きようか妄想してみた。あれこれ考えたが、まずは「“やりたいこと”と“やってみたいこと”をやってみる」ことにした。特に「いつかは・・」「退職したら・・」などと、漠然と先延ばししていることから手を付けたい。問題は、時間管理だ。シンプルに2つのルールを決めた。「仕事と同時進行で取り組む」ことと「あきらめる」ことである。

 一つ目は、「同時進行」だ。やってみたい事や、やりたいことについて、少しでもいいから毎日手を付ける。読みたい本があれば、10分でも本を開き、行ってみたい場所があれば週末や連休に訪れる。「この仕事が落ち着いてから」などと「先送り」はしない。小さい単位に分け、仕事や家事・育児と同時並行で行う。慣れるまで時間はかかるが「充てる時間をあらかじめ決めておく」のがポイントだ。

 二つ目は、「割り切る」ことだ。「やりたいこと」に時間を割く分、代わりに「できなくなること」が生じる。何を引き換えにするのかを決めておくことが大事だ。例えば、仕事では、「100%」にこだわらない。そのために、あらかじめ達成ラインと充てる時間を設定しておく。時間に余裕があれば踏み込み、いっぱいなら手を引く。ついつい完璧に仕上げたくなるが、深追いせずに手を止めることがポイントだ。

 これまで漠然と時間を「縦」方向にとらえていた。一つのことにどっぷりとあるだけの時間を費やし、終えた後に、次のチャレンジに進むといった「単線的なイメージ」である。教育・仕事・引退という人生も「直線的」だと言えるだろう。これを機に「横」に並べて少しずつ同時に進める方法を試してみたい。新たに、時間の使い方や、それに伴う自己コントロールのスキルを学ぶ必要もあるだろう。

 人生100年時代と言われているが、厚労省によると健康寿命は69歳から74歳だという。毎日を「楽しむ」ことのできるマインドやスキルを身に付けること。そんな日々が積み重なることによって、人生は一層面白くなっていくような気がする。

(佐藤 琢磨)

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タグ:佐藤 琢磨
posted by fmics at 18:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 巻頭言
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