2012年02月01日

2012年2月のFMICS



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センター試験は“ほどほど”に<前編>

 ご存じのように、平成24年度の大学入試センター試験は、科目選択方式と時間割の変更に伴う混乱により、過去最悪と言われるトラブルが発生してしまいました。

 今回の科目選択方式と時間割変更に関しては、3回にわたって別の角度からその問題点を取り上げましたが(センター試験の“裏技”をめぐる問題 <前編> <中編> <後編>、実施面においてもこれだけのトラブルが現実に起こってしまったことは、残念でなりません。今回の問題を受けて、大学入試センターにおいては今回のトラブルの検証と防止策の検討が、文部科学省サイドでは、独立行政法人見直しに伴うセンターの組織統合や、センター試験のあり方についての抜本的な見直しが検討されるようですが、ここであらためて、現場の視点からの考えを述べたいと思います。

 まず最初に指摘しておきたいことは、国公立大学の一般入試(これによる入学者が大多数)は、センター試験に多くの私立大学(センター試験利用入試による入学者はそれほど多くない)が参加して会場を引き受けているという事を前提として回っているという事です。

 例えば、横浜市立大学の一般選抜は前期日程のみの募集でありながら、例年3千名程度の志願者を集めていますが、センター試験の会場校としては、1900名の受け入れ人数に止まっています。この1900名というセンター試験の受け入れ人数は、本当にキャパシティーの限界といえる数字で、1次(センター試験)+2次試験で構成される一般選抜でありながら、センター試験分のキャパシティーを自大学では負担出来ていません。この事は、他の多くの国公立大学を見ても同様です。

 かつての共通一次試験の時代は、国公立大学のみの実施でありましたが、やはり国公立大学のキャンパスだけでは会場を賄いきれない為、多くの高等学校を会場に加えて実施し、本学でもかつては隣接する高校を加えて3千名近い人数を受け入れて実施していました。

 現在のセンター試験においても、国公立を中心とする一部の大学では近隣の高等学校等をも会場に加えてセンター試験を実施していますが、環境も異なって実施負担が大きく、今後この部分を拡大していくことは現実的ではありません。このように国公立大学の一般選抜は、多くの私立大学がセンター試験に参加して会場校を引き受けている事によって回っているのが現実なのです。

 この立場からすれば、私立を含む多くの大学が無理なく参加して実施協力出来る事が大切なのであり、当面のセンター試験のあり方については、リスニング試験を導入する前の“ほどほど”の形に戻すべきだと思うのです。

(出光 直樹)



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遊びのルール

 先日、来年度の入学案内作成のために卒業生の勤務する幼稚園の撮影に行ってきました。

 そこで壁のポスターに書かれていたステキな言葉に出会うことができました。「どんな大人になるかは、どんな子どもだったかで決まる!」思わず立ち止まってメモしました。その園のめざす子ども像(教育目標)は「強く賢く優しく元気な子を育てる」

  1. 元気な子(体力・活力、耐力・気力のある健康でたくましい子ども)
  2. 楽しく勉強する子(自分で判断し自己表現できる知恵のある子ども)
  3. 仲良く遊ぶ子(誰とでも仲良く遊び活動できる思いやりのある子ども)

 園長先生曰く、特に強調したいのは仲良く遊ぶ子どもだそうです。思いやりがあって、誰とでも仲良く遊べて、がまんする力を養いたいと言っていました。とてもいい園です。

 卒業生に何が大変ですか?と質問すると、今、年少組の子を見ているが、クラスの半分以上が一人っ子のため様々なことが起きると言っていました。どういうことなの?と質問すると4月・5月は喧嘩が絶えなかった。何故か?は、一人っ子の子どもたちが物を「貸して」と言えない、順番を待てないから自分の意思が通じないとすぐにぶったり噛みついたりとスゴイことになっていたようです。

 それを見ている先生方が、貸してと言ってみようとか、順番を待つように後でねとか、諭すように伝えたそうです。子どもたちには独自のルールのようなものがあって、先生が言っても聞かない子には、同じことを仕返して、痛いことを身をもってわからせたりしていたそうです。そんなことを何度も繰り返して、やっと2学期には落ち着いてきたと言いっていました。面白い話でした。

 卒業生の話から、一人っ子の子どもたちのコミュニケーション能力の欠如ぶりが見えるようでした。それにしても、問題は小中高大と遊び道具の順番を待てずに感情を爆発して育ってきたままの子どもたちです。キャンパスに思い当たる学生はいませんか。

 1980年代にはテレビの前に置かれ放任された子どもが感情表現をしなくなる、サイレントベビーという言葉がでてきました。最近でも、乳幼児に授乳する際に母親が携帯でのメールなどほかの事をしていると子どもに表情がなくなると、尾木直樹氏は警告しています。

 サイレントベビーは幼少時に自己の要求を無視されることにより、周囲への働きかけをあきらめてしまう結果ともいわれていますが、コミュニケーション能力が欠如したり、好奇心が乏しかったりするそうです。いまの子どもたちも、一人っ子だからというよりは家族のコミュニケーション不足な関係が、そもそもの原因なのではないでしょうか。

 冒頭の幼稚園のように、人と仲良く遊ぶにはコミュニケーション能力や他者を尊重する気持が必要で、そうしてまた自分も尊重される存在になるのです。勉強やキャリア教育以前に、そういったことまで家庭外で教えないといけない時代が、きています。

(秋草 誠)



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FMICS 2月例会
(第618回例会)

■「歴史は明日を語るんですよ」と、寺崎昌男先生は日本の高等教育史を語られるときに、必ず、おっしゃられます。■FMICS2月例会は、学生支援「学生の“が”」のルーツであると考えられる、学生主事制度についての戦前から今日までの歴史と今日的意義についてを検証いたします。■大学の主役で、活きた資産で、更には未来である学生さんの可能性をいかにして活かすかは、大学にとっては、語り尽くされた古くて新しいテーマです。多くの大学生さんが手を変え名を変えてそれはいろいろな試みを続けていますが、手詰まりの感は否めません。学生主事制度は過去の遺物であり、いまや忘れられつつある制度であると言われていますが、「歴史は明日を語る」ものとして混沌を切り開くためのヒントがたくさんあります。■今月のゲストは、この学生主事制度を桜美林大学大学アドミニストレーション研究科の院生として研究されている国士館大学の前田さんです。ご参加の皆さまと学生主事制度について、今日的意義についての確認をいたします。■建国記念の日の休日ではありますが、歴史を学ぶ醍醐味を体感していただきたく、お仲間にもお声掛けいただきご参加ください。

■前田さんからいただきました、学生主事制度の歴史について要旨です。

 近代高等教育における学生支援制度として、明治中期から戦前、戦中にかけて全国の各大学に設置されていた学生主事制度があった。この制度の意義について明らかにすることで、今後のより良い学生支援を考えていく一助としたい。

 まず、前史として明治時代の舎監をとりあげる。明治19年、東京に帝国大学が発足するが、その寄宿舎を管理する舎監が寮生の日常生活にも関わり、また運動会などの課外活動にも監事役員として参加するなど、大学の発足当初から学生支援に携わっていたことが明らかとなった。特に明治30年に発足した京都帝国大学の木下総長は、教育方針として教育研究と共に「徳性の修養」をかかげ、舎監を「単なる取締官ではなく、学生の人格の成長援助的な徳育の専任者」として重要視し、学生支援を大学の任務として考えていた。また、慶應義塾では寄宿舎堀内舎監が学生と共に消費組合を組織し、学生生活に支障がが無いように支援した。このように近代高等教育において、すでに学生支援という方針が打ち出されていたのである。

 次に、大正時代になると舎監という名称では学生支援に不釣り合いであるという待遇改善により、学生監と改称され学生監室という専門の部屋も与えられるようになる。学生監の人数は年代や大学によって異なる場合もあるが、学生の増加等に対応するため教員を複数人兼任させて対応する形式が取られた。このように学生と学生監は非常に近い関係を持っていたが、社会背景である労働争議や社会運動などに学生が関わるようにあると、学生支援から思想統制へと性格に陰りが見え始める。

 昭和3年に起こった社会主義者が取締を受けた3.15事件に大学生が連座していたことから文部省は同年10月に省内に学生課を設置し、思想善導の名の下に学生取締を強化するが、各大学では学生監から学生主事へと改称し、兼任から専任者を置いて社会運動取締の指導徹底が図られる。翌昭和4年4月には文部省主催で第1回学生生徒主事会議が開かれ思想関係の取締が要請された。各大学の学生主事業務は、学生の把握や教化宣伝、文部省や他大学との情報交換が主任務の一方で「学生主事室は、単に一部の学生を取り締まるというのが目的ではなく積極的に学生生活の指導、学生諸君の相談相手であるべきであると思います」という学生支援の方向性も堅持しており、学生生活調査を行い食堂や厚生施設の充実を図り、学生生活を有意義に過ごしてもらおうという大学の姿勢も現れている。

 また、各大学に置かれた配属将校も、学生の動向を的確に把握している学生主事と「学生主事との接近は極めて必要」として連携を図ろうとした。戦火が拡大すると勤労動員にも学生主事は指揮者として関わるなど、外部からの干渉によって大学自治も破壊され学生支援は滞る事態となったが、昭和20年8月に終戦を迎えると教学刷新が図られることとなり、翌昭和21年3月に学生主事は各帝国大学から廃止された。

 近代高等教育において学生支援は大学発足当初から行われており、学生の成長を担った学生主事の果たした役割は非常に大きく、その活動が戦後の厚生補導へと受け継がれたことは、今後の学生支援を考える上で重要な視点である。学生主事制度は過去の制度であるが、現在の混沌とした学生支援に対して示唆的であり、極めて現代的な制度なのである。

【日時】 2012年2月11日(土・祝)
月例会 午後4時〜6時
懇親会 午後6時〜8時
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 4階 405教室 (JR・東京メトロ 四ツ谷駅 徒歩3分)
【テーマ】 「学生の“が”」の源流をさかのぼる
学生主事制度の成り立ちを検証する
【問題提起】 前田 剛 (国士舘大学教務部教務課)
【司会】 高橋 真義 (桜美林大学 大学院教授)
【参加費】 会員1,000円  非会員1,500円  学生(会員・非会員問わず)500円
【申込先】 米田 敬子 yoneda(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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FMICS Staff Development 244

■激動の時代を教育業界の枠にとらわれることなく、多面的・大局的視座からじっくりと展望いたします。あなたのアンテナが何かを感じた新聞・雑誌等から教育&経済トピックスを持ちより、侃々諤々とディスカッションいたします。トピックスは、厳選して1件、A4縦判にコピー(10枚程度)して、氏名と簡単なMEMOを付してご持参ください。各自10分間程度のコメントをしていただきます

【日時】 2012年2月14日(火) 午後5時〜7時 + 懇親会
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 3階 301教室
(JR・東京メトロ 四ツ谷駅 徒歩3分)
【参加費】 会員500円  非会員1000円  学生(会員・非会員問わず)300円
【申込先】 米田 敬子 yoneda(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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FMICS あざみ野 SD 34

●ゼミナール型勉強会「SD」の首都圏西部地域での集いです。

●前回1月9日(月・祝)の参加者数は10名。山内太地氏の有料メルマガの課題、立教大学vs立命館大学−オープンキャンパスの始まりを創った2校、大学のオープンキャンパスと合同入試説明会について感じたこと、国立の教員養成大学・学部等の卒業者の就職状況、中・高校におけるメディアリテラシーを育てる教育とはどのようなものか、インドにおける大学の拡張、文教大学(学生支援室)契約職員募集、東日本大震災で志願者が急減−東北の名門大が初の高校行脚へ、といったトピックスがよせられました。

●この勉強会の原理は極めてシンプルです。参加者がそれぞれにネタ(話題)を持ち寄り、みんなで議論します。

●ネタは、気になった新聞・雑誌記事、業務関連の資料、進めている仕事のアイデア、就活エントリーシートの原稿などなど、何でも構いません。ちょっとした事でも、他人の目に触れることにより思いがけない発見があるものです。初めて参加される方は、単に自己紹介だけでもOKです。

●資料(コピー)は10部程度お持ちください。

【日時】 2012年2月10日(金) 午後7時〜9時+懇親会
【会場】 横浜市山内地区センター 3階 会議室3B
(東急田園都市線・横浜市営地下鉄 あざみ野駅 徒歩3分)
【参加費】 100円(会員・非会員問わず)+懇親会実費(3000円くらい)
【申込先】 出光 直樹 (横浜市立大学) naoki(アットマーク)idemitsu.info
http://n-idemitsu.269g.net/category/212623-1.html
*お名前、ご所属、懇親会への参加の有無をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。


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会報 『BIG EGG』 3月号 発送作業

●FMICSの運営は、会員のボランティア作業によって支えられています。毎月の会報の発送作業も、その大切な活動の1つです。早い人はお昼過ぎから作業を開始し、夕方になると職場から一人また一人とメンバーが駆けつけます。

●ワイワイガヤガヤと近況報告を兼ねての楽しい時間は、美味しい中華料理屋での食事会へと引きつがれ、例会などのアイデアの多くが、この瞬間に生まれます。例会とは一味違ったFMICSの活動に、皆さまのご参加をお待ちしております。

【日時】 2012年2月29日(水) 午後6時〜9時+食事会
【会場】 日能研 恵比寿ビル

●初めて参加される方は、 mail2012(アットマーク)fmics.org (高橋真義)までご一報ください。当日の連絡先等詳細をお知らせいたします。



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速報 3月のFMICS

●昨年3月の関西FMICSでは、FMICSの30歳のお祝いをする計画でした。FORUM直前の震災。そして、FORUM中止。1年間の猶予を得て開催する、今回のFORUMのテーマは、昨年と同じ「つなぐ。つながる。」●昨年のアナウンスでは「ここにFMICSの原点があります。誰かとつながること。そして新しい何かを見つけること。さらに、先につなげてゆく。FMICSそのものではありませんか」と書きました。震災ならずとも、わたしたちの原点はつながる、つなぐことで新しい価値を生みだすところにあります。

●今年も、滝川がこの春に会いたい、つながりたい4方に発表をお願い致しました。●ぜひ、春のびわ湖にお越しください。

【日時】 2012年3月17日(土)〜18日(日)
【会場】 大谷大学 湖西キャンパス・セミナーハウス
滋賀県大津市雄琴3丁目33−3  電話:077-578-6600

JR京都駅にて湖西線<普通>に乗車、おごと温泉駅(旧:雄琴駅)下車
徒歩10分、または江若バス・仰木の里線(内 左まわり)「大谷大学グラウンド前」下車
湖西線は京都駅 12:56発、13:11発に乗車すると便利です。

【テーマ】 つなぐ。つながる。
【プログラム】
13:30受付開始
14:00第1部開会
司会 滝川 義弘 (大谷大学 教育研究支援部)
14:20発表1
 菊地 勇次 (文部科学省高等教育局国立大学法人評価委員会室評価調査係長)
15:10発表2
 乾 明紀 (OFFICE INUI代表・立命館グローバルイノベーション研究機構研究員 )
16:00休憩
16:20発表3
 志垣 陽 (学校法人追手門学院初等中等事務部長兼法人事務局次長)
17:10発表4
 高橋 真義 (桜美林大学 大学院教授)
18:00第1部総括
18:30第1部閉会
19:00懇親会(近江牛のすき焼き)
21:00第2部 All Night FMICS
【全員発表】×5分
 元気と勇気とあったかさの自己表現
24:00ディスカッション
26:00All Night FMICS終了
31:00起床&朝食
32:30総括
34:00FMICS FORUM in KYOTO 終了 解散
【参加費】 FORUM:2000円 懇親会:5000円 オールナイト:4000円
【申込先】 滝川 義弘 (大谷大学 教育研究支援部 075-411-8458)
tacky(アットマーク)sec.otani.ac.jp


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