高木さんは、次のように言われました。
企業はすでに人材を育てる機能を持つ余裕を失いつつあり、「社内外の人材を発掘する」ことに主眼が置かれています。企業側が大学に求めているのは、自立した人材の育成、つまり「学生にインセンティブをいかに与えるか」にかかっているように思います。
高木さんに未来面の企画をご案内いただきました。JXホールディングス・渡文明相談役からの第2回目のテーマ「変える力を持つ人材をどうつくるか」に、桜美林大学リベラルアーツ学群1年生佐藤ラクミニ瞳ウィムッティさんが応募をし、なんと、100名を越えるアイデアの中から新聞掲載の3名の1人として選ばれました。
■失敗を認め、受け止めて
佐藤ラクミニ瞳ウィムッティ(19) 桜美林大学リベラルアーツ学群1年
日本社会は「失敗」を認めてくれない。年配の人は若者の失敗を見て頭ごなしに「君はどうしてこうなんだ」と怒ったり、「これだから若い人は」と鼻で笑ったりする。それでは人材が育つわけがない。可能性を自ら踏み潰しているようなものだ。大切なのは、年上の者が失敗を受け止めること。そして、そのプロセスに関してきちんとフィードバックすることだ。ここをもう少しこうすればよかったのでは。ここが準備不足だったのでは。問題箇所の提示や欠けている箇所が分かるだけで、失敗した側は心も行動も軌道修正がきく。次に向けてまた頑張ろうと思える。「行動を起こして良い」という雰囲気が支えになるのだ。
初めからすべて成功できる者はいない。失敗は誰もが経験する。失敗は成功のもとだ。それを潰すのではなく、どう修正して生かすかだ。私たちは可能性を秘めている。数々の努力と失敗によって大きく躍進するのだ
瞳さんからのメールです。
今日はとっても嬉しかったです。
まさか紙面に掲載されるなんて思ってもいなかったので、家族みんな、大喜びしました。
この課題に挑戦してよかったです!
この快挙によって、高橋担当の学部の授業「人と組織」のクラス全員の学びへのモチベーションが一気に上がったことは言うまでもありません。
以下は、日本経済新聞社「未来面」Web版からの転載です。
■日本経済新聞社は、これから国のかじ取りを担う、若く、新しい力を育てるプロジェクトを「未来面」でスタートさせました。今年度の通年テーマは「新しい日本人をつくる」です。
「失われた20年」で世界における存在感が弱まる一方の日本。もはや静観してはいられません。プロジェクトでは、日本を代表する経営者がグローバル化や少子高齢社会、震災からの復興、エネルギー、環境、財政、貧困、社会貢献の在り方など、現在直面する課題を自らの経験を交えて提示し、これを解決するための独創的なアイデアを主に大学生や大学院生の方々から募ります。
新聞とインターネット(日経電子版)を通じて経営者と学生が双方向で対話し、アイデアの実現可能性を探っていきます。経営者との真剣な対峙は若者にとって、何物にも代え難い経験になるはずです。次世代につなげる持続的な社会をどのように築けばいいのか。経済大国から、世界に誇れる人材大国へ。その道筋を探る一助になればと考えます。新しい日本人をつくる。ご期待下さい。
●テーマと提題者
■得意分野は何ですか。どう社会に生かしますか
NTT会長・三浦惺 *2月4日掲載予定
■民間の力を生かした地域活性化の具体策は
ヤマトホールディングス・木川真社長
■変える力を持つ人材をどうつくるか
JXホールディングス・渡文明相談役
■グローバルな社会で活躍できる人材になるには
三菱商事・小島順彦会長
世界に誇れる人材大国をめざし、企業経営者が学生とともに解決策を探る『未来面シンポジウム』を2月28日(木)に日経ホール(東京・大手町)で開催致します。お申し込みはこちらからお願いいたします。締め切りは2月15日(金)です。
【日時】 2013年2月16日(土)
ディスカッション 午後4時30分〜7時
懇親会 午後7時〜9時
【会場】 桜美林大学 四ツ谷キャンパス 307教室
【テーマ】 「学生の“が”」を検証する
日経・未来面から見た学生の可能性
【問題提起】 高木 伸治 (日本経済新聞社 特別企画室)
司会 高橋 真義 (桜美林大学 教授)
【参加費】 会員1,000円 非会員2,000円 学生(会員・非会員問わず)500円
【申込先】 米田 敬子 yoneda(アットマーク)fmics.org
*お名前、ご所属等をお知らせ下さい。参加費は当日会場でお支払い下さい。
*当日の飛び入りも歓迎ですが、なるべく事前の連絡をお願いします。
