
FMICS5月例会と6月例会では、「大学はぬるいのか」について語り合います。
【日時】 2023年6月21日(水) 午後8時00分〜10時30分
【使用媒体】 Zoomミーティング
【テーマ】 高校人・大学人が一緒になって考える
「大学はぬるいのか」(大学編)
【プログラム】
○問題提起
菊地 勇次 (文部科学省 大学入試室室長補佐)
○事例報告
○5分間コメント
○ブレイクアウトセッション
○総括
中村 勝之 (桃山学院大学 経済学部教授)

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企業説明会や採用面接はオンライン方式が浸透し、就活の「ニューノーマル」が定着しています。2022年12月時点の大卒就職内定率は84.4%と、前年同期比1.4ポイント上昇しました。就職環境の好転、オンライン就活の一般化など、24年卒以降の学生は満足度の高い就職活動をすることができるでしょう。
学情が23年4月入社予定の内定者を対象に実施した調査によると、53.6%が入社する企業で働きたい年数を「10年以内」と答えています。マイナビが実施した新入社員調査でも「10年以内」が51.0%でした。いまや転職を視野に就職活動、入社する若者が半数を超える時代です。
人生100年時代と言われ、就業期間が大幅に延びる今の若者たちにとって、1つの会社で定年を迎えることは当たり前ではなくなるでしょう。
JOB型雇用の導入が進み、外国人労働者が増え、雇用の流動化が進めば、解雇に関する考え方も変わります。
これからは将来の転職を視野に入れた就職活動、働き方が求められます。
ところが、転職市場には転職したくてもできない人がいます。また、転職がキャリアアップにつながらない人もいます。転職できる人とできない人は何が違うのか。将来のキャリアチェンジを意識した就職活動に勝つために、学生の皆さんは何を身につけておくべきかについて、多面的、多層的に考え、整理します。
皆さんあけましておめでとうございます。
とは言え、いま私学を含めてわが国の大学は非常な困難に直面しつつあり、日々の教育・研究、大学経営そして政策運営を誤ると、とんでもない未来が待ち受けているという状況です。たとえ現在は経営に問題がない大学や基礎学力の高い 学生を集められる大学であっても、決して油断はできません。
具体の問題は当日申し上げることとして、概要を述べます。
第一に、社会全体の格差増大に合わせるかのように、大学も格差化・機能分化の嵐に巻き込まれるであろうこと。
第二に、18歳人口は中教審の見通しより1割以上減って、2040年には80万人(現在110万人程度)を割り込むことが確実となり、経営危機に陥る大学の数が増えるであろうこと。
第三に、大学というものに政府・産業界を始めとする外部からの関与が強まって、自主自律の大学運営がますます困難になること。
このような中、大学関係者がとるべき行動について、皆さんと大いに議論をいたしましょう。
コロナ禍で遠隔授業が不可避となったさなかに、私大連をはじめとして、デジタルを活用した「学生本位の学びへの転換」「学びの可能性の拡大」などを基調とする「ポストコロナの大学のあり方」の検討が進み、それらの提言が昨年夏に文科大臣に手交されました。
中教審での検討を経て、本年10月1日の大学設置基準改正施行に繋がりましたが、全ての要求が受け入れられた訳ではなく、遠隔授業他の60単位制限や校地・校舎面積基準等の緩和については、特例制度で申請し、認可された場合のみ実現が可能な制度となりました。
改正施行後1カ月経過の時点では、規制緩和を評価する大学経営者の声や具体的な計画の発表や取材記事を見ていませんが、少なくとも私大連の会長や理事がトップを務める大学では何らかの検討が進み始めていると、民間企業のセンスでは、そのように想像します。
“未だ” である場合も、大学経営に関わるマネジャー諸氏には様々な想いがあり、改正事項や特例制度を活用したアイデアや、そのために解決しておくべき課題も列挙可能でしょう。月例会では、是非ともその一部を開示頂き、議論に繋ぎたいと思います。
また文科省による各大学への調査では、今年前期は「全面的に対面」「殆ど対面」の授業に戻ったと報告していますが、個々にみると、コロナ後も遠隔授業を一定比率推進すると回答している大学があることに気づきます。
そうした大学では遠隔・対面の特質をよく理解した上で、オンラインによる授業の ”構造化” や “データ活用による評価” の方法を蓄積し、教員へのFDを推進しています。
月例会では、その情報を共有頂いた上で、デジタル活用による「学生本位の学びの実現と質の向上」「学びの可能性の拡大」について議論頂きたいと思います。
また、データサイエンスや専門領域でのデジタル活用とは別に、学生の様々なアクティビティや結果を収集して学生の成長を促すためにデジタル技術を活用する道もあります。その事例を共有頂き、上記の議論に幅と厚みを加えられたらと思います。