2023年05月02日

堕落と節制の狭間で

 新年度は新たな出会いの季節である。「どこで」で会うかを考えれば様々な年代と接するチャンスが格段を多くなる。とは言え、結果的には同世代との付き合いが自然と深まる。このとき、各世代で直面するであろう問題群によって交わされる会話のネタが違ってくる。アラフィフな私が同世代とやり取りする会話のネタのほぼ鉄板が「お肌」と「ダイエット」である。

 実際に50代になるとよく分かる。外見的要素が急速に劣化していくのである。言い訳に近いが、40代中盤から老眼が始まり、割と早い段階で遠近両用メガネを使用する様になった。無論、最近まではズボラして細かい字を読む際にも単焦点メガネを使っていたが、それでが誤魔化しきれなくなった。皺が増えたのは相性の悪いメガネをかけているからだけではない。50代に入ると見事に代謝が低下してくる。同じ食生活をしているにも関わらず,出て欲しくない部位が着々と増えてくるし、重力に対して筋肉が対抗できなくなってきている。

 なぜそれを自覚できたかと言うと、鏡を見たときに余りにもの皺の増加に愕然としたからである。学生たちは教員の容姿を観察してないと勝手に思っているが、いやいや、滅茶苦茶見ている。学生同士の会話に耳を傾ければよく分かる。対面授業が復活してきたのだから尚更である。時代と言われればそこまでかもしれないが、50代男子(?)においても、最低限容姿に気を配るだけの配慮(余裕?)が要求されてきているのは間違いない。

 とは言え、先達に「右に倣え」の如く頑固になり始めた私にはアンチエイジングの最新手法を積極的に取り入れる程の器量は失くなってきている。容姿の劣化は感受性も劣化させる。このままだとまずい、だが極力簡単かつ継続可能なものは…と周囲を観察して、見つけましたよ。格好のアイテム。それが「階段」である。幸いにして私のオフィスは12階建てビルの12階にあり、しかも私は愛煙家。喫煙を理由に(半ば無理やり)移動すれば結構な運動量になる。そう思ったが吉日、3月中旬から、ビル内の移動の全てで階段を使う様になった。そこから1か月。現状では2kg弱の減量に成功している。ただ、ここから暑くなる季節になるので、冷房の効かない階段の上り下りが物理的にできるのか?その辺はなってから考える事にしよう。

 容姿の劣化を防ぐのなら、本当は晩酌をやめて(せめて休肝日を設ける)喫煙をやめればいいのでは?恐らくそれは正しい。だが、私も業の深い人間。ある程度の欲にまみれつつ節制する生活を実践したい。この相矛盾する方向を何とかする方法はある様である。

(中村 勝之)

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全員連続打撃オーダー制

『2023 WORLD BASEBALL CLASSIC』は出場チームそれぞれの健闘が光ったが、リトルリーグが2023年の大会から全員連続打撃オーダー制を導入する。ベンチ入りする選手がすべて打順に入る。つまり、打線は1番から9番で一巡ではなく、守備についていない選手を含め最大14番打者まで打席に立つ。

 米国発祥のリトルリーグは、硬式ボールを使い、10歳から12歳(メジャー部門)の世界一を決める大会が知られている。世界で80を超える国・地域に広がり、日本にも現在全国に139のリーグがある。日本の大会を勝ち抜いたチームも1962年から世界大会に参加、過去に11度の優勝を飾っている。

 その目的はあくまで子供たちの心身の健全な成長に寄与すること。米国のリトルリーグ国際本部は、参加する全員が野球を楽しめるように配慮した細かな独自ルールをいくつも設け、状況に応じてしばしば改定している。

 例えば、離塁制限があって実質的に盗塁は禁止。低年齢では盗塁阻止は難しい。投げて打つという野球本来の楽しさに集中するのがその理由という。ベンチ入り選手全員の出場を義務付けるルールも、守備などの機会を含めて以前からあった。それをシンプルにして徹底するのが、全員連続オーダー制。打席に立たないと野球は楽しくない。

 もちろん、上を目指す子供たちが多く、リトルリーグも勝利至上主義の弊害と無縁ではない。心配なのは14人ベンチ入りできるのに、勝利優先でベンチに入るメンバーを技量が高い少数精鋭に減らしてしまうこと。これではみんなが楽しむためのルールが本末転倒になってしまう。日本リトルリーグ野球協会は「意図的に(ベンチ入りの)枠を余らせないように」と呼びかけている。

 5月のGWはオープンキャンパス開催、問題解決には「感」と「動」、キャンパスにいらっしゃる方が魅力を一つでも多く実「感」できるよう行「動」!

(宮本 輝)

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2023年04月05日

「楽しむ」を間違っちゃぁいけない

 2023年度が始まりました。高校から大学や短大、専門学校等に進学した人達がいるでしょう。学校を卒業して就職した人達がいるでしょう。職場で昨年度と同じ部署で働き続けることになった人達がいるでしょう。職場で部署が変わった人達がいるでしょう。いずれにしても、この時期は暦年の所謂「新年」とは別な趣がありますね。今回は昨年4月の本欄でやってみた管理責任者(社長、校長、学長、理事長など)っぽい訓示めいた話を再度やってみます。支離滅裂ですが、お付き合いいただければと思います。

 WBC日本代表が3大会ぶりの優勝を飾ったのは記憶に新しい所でしょう。過去2回の優勝と今回の優勝の異同が様々な形で語られていますが、私の野球のレベルは草野球の補欠未満なので、野球の技術的な話や戦術・戦略といった専門的な話はできません。ただ、1つ気になった部分があったので、そこから話を起こしたいと思います。

 過去のWBCや五輪の野球チームはどこかしら重苦しい雰囲気を纏っていました。適切な表現ではないかもしれませんが「日の丸」の重圧に苦しんでいたような気がします。それが、今大会にそれをあまり感じませんでした。もしかしたら若手中心の布陣だったからかもしれませんし、メジャーリーガーが精神的支柱になってプレッシャーが緩和されたからかもしれませんし、要所を代表監督が押さえていたからかもしれません。ここぞの所で各選手が極限まで集中力を高めたからかもしれません。総じていえば、プレッシャーを楽しんでいた…そう感じた人が多いのではないでしょうか。

 表題にもある「楽しむ」の言葉。WBCの経験を通じて改めて「楽しむ」事の重要性がちらほら語られていますが、個人的にはここに違和感を覚えます。とあるYouTubeチャンネルで今回出場した某選手が語りました。『大谷選手のあの姿を見て真似ようと思っても、絶対彼みたいにはならない』結論めいたことを先に言いますが、こちらの方に真実があるような気がしています。とあるスポーツの国代表のキャプテンが言いました。『enjoy(=楽しむ)とは自分自身を出し切ることだ』これも真実の一端を語っていると思います。

 何がしかのスポーツをするに当たり、そこには優劣がどうしても付き纏います。レギュラー争いだったり、ライバルとの記録争いだったり、その先にある勝敗だったり。とりわけ、チームスポーツは陰に陽に出る争いに勝つためにどうしても軍隊的な組織になりがちになると言われています。上官である監督・コーチの言葉が絶対、下士官である選手達は時には理不尽な扱いを受ける。そうした事が子ども達からスポーツの「楽しさ」を奪っているという論調は長らく語られてきました。

 ただ、ですよ。スポーツの「楽しさ」って色んなレベルがあると思うんですよ。野球の例で言えば、やり始めの頃はボールを取れた、打てた、これだけで楽しかったはずです。ただ、試合経験を重ねるほどに「楽しい」とは別の感情が湧いてきます。一言で纏めてしまえば「上手くなりたい」になるでしょうか。「上手くなる」ためにはおそらく血の滲む努力を伴うでしょう。その努力が結果として結びつけば再び「楽しい」感情に浸ることはできるでしょう。ただ、この時の「楽しい」は初心者が感じるものとは明らかに異なるはずです。もちろん、「楽しい」感情をもっと味わいたいと思うのが人間の欲求ですから、そこから再度血の滲む努力をしなければならないでしょう。つまりです。WBCの選手たちが楽しげにプレーしたように見えて、その裏で我々の想像を絶する努力をしてきたはずです。それを我々は目撃できるはずもない。だから、スーパースターの表面を真似たって絶対その人のレベルに達しない。

 ここですよ。我々教育関係者が子ども達にさせないといけないのは。軽々しく「今を楽しめ」なんて言っちゃぁいけない。我々が子ども達に体験させるべきは苦しんだ先に見える「楽しさ」だし、すべてのプレッシャーを剥ぎ取った先にある集中力ですよ。無論、子ども達を苦しめるために理不尽な事をするなんて言語道断。そこを封じながら子ども達を努力させる手法なんて幾らでもある。我々がその努力を怠っちゃぁいけません。

 そして若者達、君達を輝かせるのはジタバタ苦しんだ先にある景色を見た先にある何かだよ。ボーッとしてる暇なんてないよ。周りを見てごらん。君たちに絶景を見せてくれるヒントが散らばってるから。分からなかったら大人達に聞いてごらん。ヒントを教えてくれるよ。見つけたが吉日、どんどんジタバタしよう。大人達は子ども達のそんな姿にニヤリとする、これが教育現場に相応しいですよ。

(中村 勝之)

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「忍者」雌伏15年

 日本経済新聞『ヒットのクスリ』でお口のお供である“忍者”を見かけた。明治がガムの主力製品「キシリッシュ」と「プチガム」の販売を3月末で終了した。取って代わったのはグミやタブレット菓子。「ガムの食感要素はグミ、ミントなど香り的な要素はタブレットに分化していった」(UHA味覚糖)。そんなグミの勢いを示している商品がある。味覚糖の「忍者めし」シリーズ。奇抜なネーミングは一時的な話題で消えてしまうケースが多いが、忍者めしは今年で15歳となる。

 味覚糖がグミを始めたのは、同社会長が欧州を訪問したことがきっかけ。子供たちが当たり前のように食べている姿を見て、ドイツ企業から技術供与を受け1985年に発売した。それ以来、市場をけん引し、「シゲキックス」などのヒット商品も世に送り出した。

 近年のグミの成長力は大人需要の拡大にある。忍者めしは大人需要を象徴している。グミ市場が成熟化する中、「昆布や梅かつおなど和風味もいけるのでは」との声から和風味のシゲキックスを売り出した。しかし甘みのイメージが強いグミと和風の組み合わせはいまひとつうけない。そこで「小さいけど腹持ちのする忍者の兵糧のようなイメージはどうか」との意見から「忍者めし」が2008年に誕生した。

 あまりにとっぴなネーミングに社内で疑問視する向きもあったが、大学生協で火が付き、コンビニエンスストアなどにも広がった。10年代半ばに軟らかいグミが主流になり、硬めの忍者めしは一時的に下火になったが、再び硬めの時代が到来。「鋼コーラ味」を出した忍者めしの活動領域も広がっている。

 味覚糖は忍者めしに続き「コロロ」でもヒットを飛ばした。グミ分野は四角いパッケージの商品が多い中、おわんを斜めにした変わった形状が人気を呼んだ。豊富な品がそろうコンビニで買い物客を引きつけるワザは、「ときめき」と「あたらしさ」を経営理念に置く味覚糖ならでは。編集委員の中村直文氏は、ガムから「お口の恋人」をひきついだグミは今日も消費者の口内に忍び込んでいくと結ぶ。

 プロ野球の名称・野村克也氏が選手らに言い聞かせた語源説。TEAM、これすなわち、Together(一緒に)、Everyone(みんなで)、Achievement(達成する)、More(より多くのこと)の頭文字を並べたものという。どれだけ優れた選手がいても勝てない。個人の力にチームワークがかけ算されなければ・・・というのが野村さんの「TEAM論」。新年度「チーム〜」スタート!

(宮本 輝)

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2023年03月08日

モノ消費とコト消費

 我々の得る収入は消費と資産運用にザックリ分ける事ができる。資産運用は将来の利子(配当含む)所得や売却収益をもたらすものであり、投資とも呼ばれる。その対比で言えば、消費は行った時点で効力が失われる属性への支出だと考える事ができる。今回は消費について改めて考えてみたい。

 消費という行為を子細に観察すると、これもザックリ2つに分ける事ができる。1つ目はコンビニでの買い物やネットショッピングを想起すると分かりやすい。自分の欲するものを購入する行為である。最近これをモノ消費と呼ぶ様になっている。2つ目はカラオケ・ボウリング・旅行などを想起すればいい。無論、これらにはモノ消費を伴うのだが、どちらかと言えばその時間・人との縁を楽しむ物であり、最近はコト消費と呼ばれたりする。ただ、両者は綺麗に分割できるものではなく、消費行為への比重もしくはモノとコトの焦点の絞り方の違いと考えた方がいいだろう。

 たとえば服飾品の購入行為を考えてみる。今であればネットショップで検討して購入ボタンをクリックすれば後日現物が配送され、これが中心となりつつある。一方、ブティックなどに直接出向き、店員とおしゃべりしながら購入する場合も変わらず残っている。この行為に対して服飾品に焦点を絞ればモノ消費と判断できる。一方、購入の検討のために費やす時間に焦点を絞ればコト消費と判断できる。ただ、ここまで書いた上で今という時代を考えると、コト消費は2つに分割できるのではないか。1つはネットショッピングの如く、遠隔(バーチャル)で一人で検討時間を費やす場合と、もう1つは店員と対面して検討時間を費やす場合である。いずれも購入に当たっての検討時間は総じて楽しい物であり、それなりの満足度が得られる。検討時間を含めて消費行為を考えると、遠隔でショッピングするモノ・コト消費、対面でショッピングするモノ・コト消費に分類できるのかもしれない。

 教育を消費と考えるのには批判が多いだろうが、「教育サービスの充実」「学生満足度の向上」などのフレーズが躍るのは、教育を消費と考えてしまっている証拠でもある。ただ、遠隔授業が教育ツールの1つとして定着してくると、やはりここを無視した教育システムの構築は難しいだろう。ただ、消費行為一般への嗜好が多様である様に教育サービスの享受の嗜好も多様である。その意味で、対面消費を排除する形で遠隔消費を推進しない方がいい。

(中村 勝之)

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2023年02月01日

新「手書き」手帳

 2023年のカレンダーと手帳に慣れてきた頃、「手書き手帳、世界で人気に」(日本経済新聞「経営の視点」より)を見かけた。ネットサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の運営や生活関連商品の開発販売を手がけるほぼ日の2022年9〜11月期の決算は、売上高が前年同期比2割増、営業利益も5割増。好調な業績の背景には海外市場の拡大があり、同社の売上高の7割を占める「ほぼ日手帳」がけん引役となっているとのこと。

 主力の文庫サイズは手帳本体が2000円台、アーティストらによるカバーが2000〜3万円台と安くないが、その分、材質やケイ線の位置など細部まで工夫を凝らす。初めて02年用の手帳を開発したころから「やがて世界一の手帳を作る」と「冗談で」言っていたそうだが、13年用から英語版も開発、22年用は直販と卸で156カ国・地
域に722万部を販売。手帳関連の商品は100種類を超す。

 時間管理はスマートフォンという時代になぜ紙の手帳なのか。「デジタル一辺倒ではなくデジタルとアナログが共存する時代になると以前から言ってきた」と糸井重里社長。「デジタル機器は情報を共有するのに便利。しかし人には共有できない、したくないものがたくさんある」。

 ほぼ日手帳は1日に1ページをあてる。利用者は行動記録だけでなく自分の感情や思いつきも書き込める。映画の半券を貼る人もいる。字は汚くても自身が読めればいい。文字の乱れや予定を消した線も心の記録だ。1年が終われば自分だけのコンテンツが完成する。

 最初から計算したわけではない。「お客さんが使い方を工夫し、僕らはそれを後追いして手帳を育ててきた」と振り返る。利用者が自分の使い方を教えあいコミュニティーをつくる。海外も同じだという。「(売り手による)マーケティングだけが何かを広げる方法じゃない」。

 欧米にも手帳はある。しかし海外はもともと文具自体の種類が少ない。日本は実は文具大国だ。子供のイラスト入り文具に始まり持って楽しく、感情移入の対象にもなる文具は、繊細で小さいものをめでる日本ならではの存在といえる。

 ほぼ日手帳も色使いや日本語表記などで「日本の文具らしさをあえて残している」。日本発のブランドという点を強調している。既存顧客との対話などを通じて埋もれた宝を自ら見つけ、時代に合わせて磨き上げることは可能なはず。「身近に潜む日本の魅力」をキーワードにあらためて自大学の魅力を見つけていきたい。

(宮本 輝)

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2023年01月11日

フルオーケストラでラジオ体操第一

新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

 今年のお正月は、優雅な気持ちでスタート! 公益財団法人東京都交響楽団が東京2020大会1周年を記念して「ラジオ体操第一」のフルオーケストラ音源を作成・録音した。おなじみの軽快なピアノ伴奏と違った重厚で華やかな調べが受け、市民の健康作りに一役買っている。

 オケ版制作のきっかけは、昨年夏の東京五輪・パラリンピック。大会で高まった市民のスポーツへの関心を持続させようと、東京都の担当者が、「意外性があって楽しんでもらえるのでは」と発案。今年春、五輪開会式で「オリンピック賛歌」を演奏した同楽団に編曲を依頼した。

 同楽団は楽曲の著作権を持つかんぽ生命保険(東京)のアドバイスを受け、体操がしやすい曲の間合いなどを考慮しながらアレンジ。チェロとコントラバスの伴奏に乗って、バイオリン、オーボエ、フルートなどが主旋律を引き継いでいく優雅な一曲に仕上げた。

 コンサートホールで録画した演奏動画を7月に動画投稿サイト「ユーチューブ」の楽団公式チャンネルで公開すると、再生回数はうなぎ登りに。現在、20万回に迫る勢いで。「豪華すぎて笑える」「体が勝手に動いてしまう」といった感想が数多く寄せられている。

 営利目的を除き、オケ版の映像・音源は自由に使用できる。都生活文化スポーツ局の担当者は「スポーツになじみのない音楽好きの人にも体操に取り組んでもらいたいと作りました。配信もしているので社員などの健康作りに活用してほしい」と話していた。

 そしてお正月に手に取った本は、『お寺の掲示諸法無我』(江田智昭著、新潮社)。「お寺の掲示板大賞」を立案した僧侶、岩手県の寺の掲示板の張り紙を紹介していた箇所に惹かれた。「人生と地獄は同じ「じ」という文字からはじまるんだな」。人の心の中で地獄がファンタジーとなり、リアリティを持たなくなったと江田氏は感じ、地獄は現実にあることを忘れてはなりませんと書いている。ちなみに2022年度の「お寺の掲示板大賞」の仏教伝道協会大賞は「武器を捨て 数珠を持とう」、仏教伝道協会賞は「私は今多くの死者の上に立っている そのことを忘れてはいけない」、「毒言吐いたら 自分も浴びる」、「修行がたらん」、私の心に留まったのは仏教タイムズ賞「かんしゃくのくの字をすてて 日をくらす」。

(宮本 輝)

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2022年12月07日

「隙を見せない」事の難しさ

 先日、開催中のFIFAサッカーW杯の予選リーグで日本代表がドイツを破ったらしい。細心のFIFAランキングで格上のドイツに勝利した事で日本中が歓喜に酔いしれたようだが、次戦のコスタリカ戦では攻めあぐねて敗れてしまったらしい。なぜ「らしい」と書いたのかと言えばサッカーにまるで興味がなく、世間の喧騒をよそに1秒たりともリアル・タイムで視聴していないからである。執筆段階では最後のスペイン戦が残っているが、以下に述べる理由で、今回も日本代表は決勝トーナメントに駒を進めることはないと予測する。もし決勝トーナメントに進出する結果となれば、以下で述べる事を見事に修正できた成果であり、その意味で日本代表の代表たる所以を改めて認識する次第である。

 コスタリカ戦敗戦に関して専門家たちはさまざまな視点で語っているが、スポーツに疎い私の目線で言えば、日本代表のどこかに対戦相手に対する上から目線、つまり表題にある「隙」を見せてしまったからではないかと睨んでいる。

 小欄でも述べたと思うが、今年度から某スポーツ部の部長に就任し、ほぼ全ての試合に帯同してきたが、春のリーグ戦の段階から物凄く気になっている事があった。それが部員である学生達のメンタルの甘さである。

 本学の某スポーツ部は関西リーグ男子1部に所属し、それなりの強豪である。だが、試合前に行われるアップの段階で部員たちの動きにムラがあることに気付いた。それが、現段階で上位にある大学との対戦では「どうせ負けるし…」といった、半ば諦めムードの中でアップを行い、その通りの結果となる。一方、下位にある大学との対戦では「余裕っしょ!」といった気の抜けたアップを行うが、対戦相手の思わぬ粘りに簡単に屈してしまう。それでリズムが狂って修正できないままリーグ戦が終わってしまう。変な話、今回のサッカー日本代表の動きも、本学某スポーツ部の動きと重なってしまう。仮に重なっているのなら、決勝トーナメントに駒を進める事なく終戦を迎えるであろう。

 本当の強者は対戦相手に応じて「どうせ負けるし…」「余裕っしょ!」と気持ちを変化させることはまずない。分かりづらい例かもしれないが、大相撲の歴代の「大横綱」を想起すればいい。攻めの型を確立しつつも、型に持ち込めなくても相手に応じて攻め手を変幻自在に変える。窮地に追い詰められても2枚腰、3枚腰で凌いでしまう。勝負事において打つ手が幾つもあるというのは「余裕」の差として現れる。その余裕を生み出すのは日常における準備が公私全ての行動の8割程度を占める。この辺を分かっている者こそが真の強者である。

 眠い目をこすってサッカー観戦する暇があるんだったら、自らを「強者」するための準備に思いを馳せてごらん。余裕が変わってくるから。

(中村 勝之)

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ストーリー彩る料理に汗

 東京ディズニーリゾート(TDR)にはアトラクションだけではなく、ミッキーマウスなどのキャラクターをイメージしたメニューなど見た目も鮮やかな料理を作り出す調理師を育成する研修施設「カリナリーアカデミー」(千葉県浦安市)がある。人気アトラクション「スペース・マウンテン」に近い場所にある淡い水色の西洋風建物、来場者の目に触れないが、ディズニーアニメの世界観を再現した外観。社員食堂なども入る建物の3階にあるアカデミーの広さは約240u、3分の2ほどを厨房が占める。実際の店で使われる大型調理機器などが備えられ、パーク内で提供されるメニューを一通り調理できる。

 調理師学校の卒業生らが毎年3人ほど入社。入社4年目まで配属先での勤務の合間を縫って月に1回、数時間ほど教師役の調理師の指導を受ける。佐々木一元校長は「通常のホテルやレストランと違い、メニューそれぞれにストーリー性が求められる。1つ作るのもかなり大変」と強調する。研修中の一人は「パーク内に多くのジャンルの飲食店がある。レストランなどに就職するより色々経験ができると思って入社した。一流を目指して努力したい」と目を輝かせる。

 研修後は労務管理などを一部担う「スーシェフB」という職位に就くための昇格試験を受ける。料理の下処理などの実技試験があり、天井のカメラで撮影した映像を校長らが見ながら採点する。受験後は映像などを使って受験者にフィードバックする。

 その後もメニュー開発などに携わる「スーシェフA」、各店を統括する「シェフ」、パーク内全体のレストランを管理する「マスターシェフ」に昇格するキャリアパスが用意されている。開校から10年ほどたち、スーシェフAになった卒業生の中には社外の料理コンテストで賞を取る人も出てきた。佐々木校長は両パークのレストランを取り仕切る「エグゼクティブシェフ」を務めた後、19年に校長に就いた。「パーク内で活躍する教え子が増えてきた。シェフになってくれる人もそろそろ出てくるのでは」と期待する。(日本経済新聞12月1日「深訪ググッと首都圏」より)

 今年は学生さんといろいろな企画や催し物に参加する機会に恵まれた。来年は更に学食や売店、食品自販機やカフェも担当予定。その道のプロフェッショナルの方々と共に知恵を出し合い、コロナ禍で過ごす学生さんのキャンパスストーリーを創り出す年へ!

(宮本 輝)

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2022年11月09日

躍進の地域密着勢

 毎日新聞「萩原魚雷のラジオ交差点」にてTBSラジオ「ジェーン・スー生活は踊る」(月曜〜木曜、午前11時)で3年ぶりに開催された人気企画、あなたにとって一番スーパーなスーパーを決める国民投票「第4回スーパー総選挙2022」を特集していた。有権者であるリスナーの皆さんが「推しスーパー」と、その熱い「推しコメント」をTBSラジオHP内のフォームから投票。9/5〜10/19の投票期間に集められた票数は、第3回の4倍以上となる24,844票に!さらに、名前の挙がったスーパーの種類は468!

 10月20日(木)の生放送内にて、その最終投票結果を発表!その結果は1位オーケー(4,926票)で見事4連覇を達成。以下は2位ヤオコー(4,712票)、3位ライフ(2,762票)、4位ロピア(2,320票)、5位ベイシア(975票)、6位サミットストア(777票)、7位オオゼキ(613票)、8位ベルク(541票)、9位ツルヤ(516票)、10位文化堂(477票)という結果
だった。

 2位のヤオコーは埼玉県を中心に展開している。5位のベイシアは本部を前橋市に置く。群馬県民の熱い支持を受けランクインした。ベイシアグループにはカインズやワークマンなどの物販チェーンがある。自社ブランドが充実しているのだとか。スーさんは「すごいね」「こうなったらみんなで群馬に行くしかないね」と興奮気味に語る。今回は地域密着のスーパーの躍進が目立った。

 1位が発表されると「鳥肌が立ったね」とスーさん。エンディングまで大盛り上がり。投票したリスナーからは「新型コロナウイルス禍の生活を支えてくれた」と従業員への感謝の声が多数あったそうだ。

 また番組内では様々なスーパー情報を紹介。総選挙開催中には、各曜日のパートナーのほか、著名人がゲストに日替わりで続々登場し、それぞれの「推しスーパー」について応援演説!さらにウェブサイトでは、そもそも「スーパー総選挙」が生まれたきっかけとは? また、当時の反響は? 番組の歴代プロデューサーにそれぞれにインタビューもあり。

 ちなみに10月28日の放送では、秋のコンビニ「新作まん」を食べつくす!すっかり秋めいてきたこの時期、無性に食べたくなるのがコンビニのレジ脇にある温かい商品。その中でも、この時期に新作が発売されるのが「中華まん」。肉まんやあんまんといった定番以外にもコンビニでは毎年新作が誕生。今回は「ファミリーマート」、「ミニストップ」、「ローソン」の新作を食べ比べ。

(宮本 輝)

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